27日、ヒューリックホール東京に臣民の悲鳴が響き渡った。
最近のゲーム内事情で鬱々としたものを抱えながらも、素晴らしい音楽とオフの空気で
今日は全てを忘れて楽しもうと集まった臣民たち。
そこに現れた酒井の、開催にあたっての挨拶という名の94分4秒に渡る自分語り。
ついに怒りが爆発した臣民の一人が叛逆を起こさんと壇上に駆け上がり、
スタッフが止める間もなく、無防備な全裸を晒していた酒井が刺されてしまったのだ。
「どうだ…!どうだ国王!これが俺たちプレイヤーの怒りだ…!」
臣民の怒りを体現するかのよう、まさしく怒張したペニスが背後から酒井の肛門に深々と突き刺さっていた。
「こ…これが…ユーザーの…怒り…?」
呆然としたように虚空を仰ぐ酒井。口にマイクを押し付けていた腕が力なく垂れ下がる。
誰もが酒井の死を確信し、会場が静まり返ったその直後、けたたましい笑いが響き渡った。
「アッハァ!ハッハァ!アーッハッハァ!!!そんなもんなワケ?????ァジちょろいんだけどw」
決して短くはないであろうペニスの挿入を意に介さず、酒井は臣民を振り返り嘲笑した。
「クソッこいつ…何で!何で!」ペチン!ペチン!
恐らくオナホしか相手にしたことのないであろう、貧弱なストロークで必死に腰を打ち付ける臣民。
当然、酒井には爪楊枝を挿入された程度のダメージすら与えられない。
密かに王が打ち倒される瞬間を望んでいた臣民にも嘆きが広がっていく。
もはや誰にもこいつを止められない。
会場の虚しい怒りも嘆きも吸い込んでいく肛門が激臭を放ち、空気が妖しく変容していく。
「さあ!ファンタジック3D(3akaiD)ライブの開幕よぉぉぉ!!!」
開幕を告げる酒井のコールに、バイトのスタッフが予定通り開演のスイッチを押す。
同時に酒井の肛門も開演とばかりに激しくうねり、臣民の貧弱ペニスを締め上げる。
『みんなー!今日は来てくれて!あっりがとおー!』
響き渡る喜多村英梨の声。壇上の酒井の体に投影された3Dモデルが元気よく手を振る。
『本日最初の一発目!明るく激しく鮮烈に!盛り上がって行こー!!!!』
「あああああああああああ!!!!!」ドピュゥゥゥゥ!!!!!!
臣民の悲鳴が響き渡った。
地獄のライブは始まったばかり――。