「ぼくのかんがえたさいきょうの」な話はいつだって夢があって楽しい。
しかし最強の兵器が核ミサイルであっても、現実に最も多くの人を殺傷したのは単発連射切り替え機能付きライフル銃「AK47」です。
その視点で考えると私の世代的に最強のスピーカーだったのはヤマハのテンモニ、NS10Mだと思います。
という訳で、「おっさん達はテンモニだったけど、今はこれ」と若い奴が言ってまあそやねとなるスピーカーは、ダリのセンソール1。
テンモニの登場でしょうもないスピーカーが淘汰されてコンポの音質が底上げされたように、鳴りのバランスがいびつなのを音の個性と言いつくろってきたスピーカーはセンソール1に破れ去った・・・。
「この値段でこのサイズだとどうしてもねー、全部きちんとは無理だから、ここってポイントに絞ってメーカーそれぞれ工夫してるんで」というセールストークが使えなくなったと言い換えてもいい。

実力はあるのだし、あとセンソール1に必要なのは伝説でしょう。
テンモニは最後にスタジオに標準装備にまでなったようですから。
音楽の作り手の主戦場が商業スタジオから宅録に移行している現状で、テンモニの入れ替え用途は先が見通せません。
しかし音の記録は確認の為の再生が欠かせない。
モータウンレコードでは音決めに安価なラジオを使っているとの「伝説」が日本では独り歩きして邦楽が音質の上で壊滅的な打撃を受けたと私は思っていて、
だから音の作り手の皆さんには聴き手はこのレベルで鳴らしていると意識を改めて頂きたい、センソール1はそんな事を思わせてくれるスピーカーです。