ゾルゲ(sorge)概念は「投企」、「被投企性」、「頽落」の三肢によって構成されており、このゾルゲ概念を
基に現存在と存在の連関を展開しているが、これは論理の明確性が示されていない。本来性と非本来性を明確に
捉える必要がある。 つまり、本来性とは、現象学的還元の実践により到達する次元であり、非本来性(日常的次元)は
現象学的思考(=現象学的還元)を行わない日常的生活意識の状態である。

従って、本来性の論理として、「投企」と「被投投企」を本来性の論理対象とし、「頽落(非本来性)」を分離して、
論理展開を分離する必要がある。
「存在と時間」に書かれている内容は、「投企」と「被投性」と「頽落」をゾルゲの三肢構造とした為に
“現存在と存在”の論理展開が曖昧となっている訳です。