トマ・ピケティさんの『21世紀の資本』における中心的な命題、
「ピケティ不等式:r>g」は実はマルクスの理論で有名な命題の1つと矛盾する、
ゆえに反証になっているとする議論があります。

例えばここ、
オーストラリア学派(新古典派系)のJuan Ramón Ralloさんによる記事:
https://www.contrepoints.org/2014/06/03/167358-piketty-detruit-marx-et-keynes
引用{
> Piketty détruit Marx et Keynes
「ピケティはマルクスとケインズを葬り去った」
> L’ouvrage de Piketty fournit les preuves historiques que Marx et Keynes se sont
> fourvoyés concernant la fameuse « baisse tendancielle du taux de profit ».
「ピケティの業績は、かの有名な『利潤率の傾向的低下の法則』について
マルクスとケインズが判断を誤っていたとする歴史的な証拠を提示している」
}(「」内の日本語訳は投稿者による付記)

利潤率(剰余価値率)が傾向的に低下する
というマルクスの仮説が正しいとすると、
資本制生産様式では投資家による新規投資へのインセンティブも
それに伴って傾向的に萎縮していくことになりかねず、
その結果、資本制経済は慢性的な低インフレ率、
さらには慢性的なデフレ傾向に苦しむことになってしまうかもしれません。

ケインズによるバージョンとしては
「資本の限界効率逓減の法則」というのがありますね。