南泉斬猫
http://www.asahi-net.or.jp/~zu5k-okd/house.14/mumonkan/gate.7.htm
  ある時、東堂の僧たちと西堂の僧たちとが、一匹の猫について言い争っていた。
南泉は猫を提示して言った。
「僧たちよ、禅の一語を言い得るならば、この猫を助けよう。言い得ぬならば、斬り捨
てよう」
  誰一人答える者はなかった。南泉はついに猫を斬った。
  夕方、趙州が外出先から帰ってきた。南泉は彼に猫を斬った一件を話した。趙州
は履( くつ )を脱いで、それを自分の頭の上に載せて出て行った。南泉は言った。
「もしお前があの時おったならば、猫は救えていたのに...」