http://mujintou.net/houwa1.htm
 あるとき、幼い男の子を亡くしたばかりのキサー・ゴータミーという名の女性が、
遺体を抱えたまま、「子供に薬を下さい、薬を下さい」 と、狂乱したように町中を
歩き回っておりました。ゴータミーは、たまたま舎衛国に来ておられた尊者の噂を聞
きつけ、釈尊のもとに行き、同じように薬を求めました。…
 釈尊はこう答えました。
 「よろしい、ケシの粒を持ってきなさい。ただしいまだかつて死人を出したことの
ない家から」。
 これを聞いたゴータミーは釈尊がケシの粒から子供を生き返らせる薬を作ってくれる
と思い、あちこち探し回ったけれども、ついにこれを得ることが出来ませんでした。
しかし人生の無常ということを知り、出家して後にさとりを得たのでした。

参考:
「法句経(ダンマパダ)」の注釈書より(『仏教説話大系』12、すずき出版)