[主人公の実存を、生得の本質から説明することがこの小説の目的であり、結論を先回りするならば、彼が、時間経過によっては、決して変化し得なかったことこそが最大の強調点である。従って、結果は原因であり、原因が結果なのである。]
(平野啓一郎『三島由紀夫論』「仮面の告白」論から)

ゲンロン批評家養成講座だったらば、↑はどう評価されるだろうか。
小林秀雄賞受賞評論なのだが。ちなみに國分巧一朗氏も選考委員の一人である。