サイケデリック・アンダーグラウンドを垂れ流した。爆音。
次第に理性を保つ事の愚かさに気付き始めた。
超猫背でアウアウ言いながら部屋を徘徊。外へ。
窓も全開。田舎の一軒家なんでオールOK。爆音はもはや音という壁を越えた。つまりマッハ。
近所のガキ2〜3人が来た。最初は俺を笑っていたが、いつの間にかアウアウ大会。
ガキの一人が「ウアー!ウッウッンアアーー!!」という超絶裏秘奥義を披露。皆もそれに続く。
ガキのお母さんが通りかかった。「おやまぁ、遊んでくれてありがとうねェ」。俺も軽く会釈。
その瞬間、気付いた。その会釈は紛れもなく理性の賜物だ。
なんて事だ。俺は全てを放棄したつもりだったが、それは単なる思い込みでしかなかったのか。
しかしどうだろう。今のこの光景を。雲ひとつない青空。光り輝く太陽。
そのあまりに広すぎる空間を、貪り埋め尽くすサイケノイズ。踊り狂うマイファミリー。
そうだファミリーだ。一瞬ではあるが俺はここにコミューンを感じた。
この満足感。そうだ、俺は捨てる事でしか得る事は出来ないと思っていた。
しかしそれは違った。今、目の前にあるこれは確実に・・・・。

涙は出なかった。しかし言葉にする必要もなかった。日曜日の午後