「やる気がないのなら稽古場から出ていきなさい」
小池先生から怒鳴られるサユミ。
「こんなロミオじゃやる気になれな〜い」
「もうスグ私のトップお披露目なのよ!あんたいい加減にしてよ!」
ドブスのちゃぴや性格の悪い龍にまで文句を言われる始末。
「ちょっと頭を冷やしてきます」
そっと稽古場から出て行くサユミの目には涙がいっぱい溜まっていた。
サユミをここまでに追い込むのは亀井氏の心が綾へ移ってしまったことだ。
「今日もあの人は私のマンションに来てくれない・・」
ほんの数日までは亀井氏の心はサユミだけのものであったが、もはや亀井氏の
心はサユミには無く綾のものであった。
「亀井さん・・・会いたいよ・・苦しいよ・・」
稽古場を出て街を歩いていると、最愛の亀井氏の姿が目に飛び込んできた。
「亀井さん!!!」
サユミは亀井の元へ走り出した。しかし、亀井氏の隣には綾の姿が
亀井は綾の肩を抱き優しい瞳で綾を見詰めている。
「あの眼差しは、私1人だけのものだったのに・・亀井さん・・大好きだよ・・傍にいてほしいよ・・」
★★★つづく★★★