相手が弱いとみると、情け容赦なく襲い掛かる攻撃性、相手がおびえたり苦痛を感じたり
屈辱を感じているのを眺めて「おもしろい」と楽しむといった残忍性は、攻撃する者自身が
何らかの形でイジメの体験を持つか、現に別のところでより強い立場の者に攻撃、
圧迫されている弱い者が持つ感情に由来するが、これはかなり精神が屈折している証拠で、
弱いゆえに、より弱い者をいじめることによって、鬱憤を晴らすというのが、いじめの構造である。

このような弱者の攻撃性を心理学者フロムは「代償の激情」と呼んだ。