東京駅近くにあるオフィスビルの会議室に、
中高年の男女約200人が吸い込まれるように入っていった。
独身の子どもに代わって親が結婚相手を探す「代理婚活」の交流会。
主役はこの場にはいない息子と娘だ。

東大卒の国家公務員の息子を持つ母親の前には女性の親の行列ができていた。
まるでオーディションのように「うちの子は料理が得意なんです」「趣味が合うはず」と次々とアピールをしていく。
一方、30代の長男の結婚相手を探す父親は、
「こういう場所では高卒だとなかなか目に留めてもらえない」とこぼした。

「孫の顔が見たい」という思いも直球だ。
72歳の母親は、48歳の息子の花嫁候補を20代に絞り、
リストを見ながら候補者の席をくまなく回っていた。
年の差を理由に断られ続けたが
「息子は若く見えるし、若い女性なら孫を2人は産めるから」とめげない。