このように沖縄島周辺での大発生は20年以上の
永きにわたりさんゴ群集が回復したところに再びオニ
ヒとデが出現するという慢性化の様相を呈した
1990年代に入ってしばらくはおにヒとデが少ない状態が続いた
さんゴ群集には回復が見られ沖縄島沿岸の
一部と周辺離島ではミドリイシ属(Acropora)を中心に
良好な生育状況を示していた(沖縄県企画開発部 1993)
ところが1994年頃から前回同様、恩納村沿岸で再びオ
ニヒとデが増加し始め1996年には高密度に発生してい
ることが確認された(新垣・山里 1998)
また1997年
には那覇市沖合のチービシが食害を受け始め2001年頃
からは慶良間諸島でも高密度集団が見られるようになる
など大発生は周辺離島にも及んだ
その後大発生は
沖縄島沿岸の各地に徐々に広がり2002年には東岸にも及んだ
2003年の時点では沖縄島沿岸では一部を除いておにヒとデの高密度集団はほとんど見られなくなりつつあると同時に被度の高いさんゴ群集もほとんど消滅した
周辺離島では渡名喜島および慶良間諸島の前島
とナガンヌ島などではいまだに大発生状態にありサ
ンゴ被度の減少が続いている
(沖縄県自然保護課資料)