ご存知の通り先頃、ギャルドの『初来日時の演奏を収めたCD』+『2度目の来日時の演奏を収めたDVD』が発売になりました。

これを機会に、ギャルドについて真摯な態度(というか耳)で、あらためて論じる場にできればと思います。

まず、これまでの日本における『ギャルド論』とでもいうべきものは、以下の2点に集約されるかと思います。

(1)61年の初来日時の演奏から受けた『直下型ショック』とでもいうべき影響
(2)84年以降の来日時の演奏を上記と比較して『昔はよかったね』的な論評

あらためて61年の録音を聴くと、ライブならではのキズは多々あるものの『あの時代にこれを聴かされたら、そりゃ〜』
と言いたくなる程、多大な影響を受けたことも大いに頷けます。

ただ84年以降の演奏について、編成の大幅な改編を理由に『今風な音になっちゃったね・・・、昔が懐かしい』といった
懐古趣味的な意見には、私個人としては不同意です。

例えば、指揮者がブトリー(簡易な表記にしておきます)に交代してから、最初に録音された、所謂ブトリーのデビュー盤
ともいえる1枚のレコード録音(韃靼人の踊り、禿山の一夜、ロメオとジュリエット、熊蜂は飛ぶ、といったロシアもの)は
ギャルドの残した多くの音源の中でも、間違いなく上位にランクされるものと確信しています。

何れにしろ『ギャルドより日本のプロ・バンドの方がよっぽど・・・』などといった、『壊れた耳』による低レベルな話は
ここでは無しにして、真のギャルドの魅力について語れる場になればと願います。