音「天馬くん、すごく悲しい顔してた…神楽木を見た時」


近「どうでしたか?江戸川音さんとの食事会は」
天「上手く行ったよ、神楽木のお陰でね。」
近「え?」
天「英徳でトラブルがあって、音が食事会に遅れて、怒った両親を神楽木が宥めてくれたんだ。」
近「それで、どうしたんですか?」
天「どうもしないよ。」
近「でも音さんは何て?」
天「近衛は素直な気持ちをぶつけろって言ってくれたけど、僕は昔っからこんなんだから…ちょっと物分かりが良すぎるのかもって、自分でも思うよ。でもなかなか難しいよね、物分かりを悪くするっていうのも。」
近「馳さんが変わる必要ありませんよ。変わるべきは婚約者の音さんの方じゃないですか?」
天「…」
近「申し訳ありません、少し、熱くなってしまって。」
天「やっぱり近衛は優しいね。でも僕は僕だから。一枚ずつゆっくり壊して行くよ。音の壁も、自分の壁も。」