仙「晴さん…!」
鈴「…そうなの?」
仙「あ、いや あの…そんなことはないぞ鈴愛。
 鈴愛がええ子で…」
鈴「おじいちゃんまでグルか!?」
晴「鈴愛あんた、おじいちゃんに謝りなさい!」
鈴「草太、草太はそれ聞いとったの?」
草「いや…聞いてない…けど…
 でも、そんなことやないかとは思うとった」
鈴「嘘つき…あんなふうにみんな呼んで、お祝いまでして、
 私の力で受かったわけやないなんて、心ん中で…」
草「笑ってないよ。世の中なんて…」
鈴「もういい!聞きたない!」
晴「あんたが13社も受けて、落ち続けたかわかる?
 左の耳が聴こえないって履歴書にわざわざ書くからや」
鈴「お母ちゃん、鈴愛は知っとった。
 就職、何で落ちるか、わかっとった」
晴「え?」
鈴「でも鈴愛は、私は、嘘ついて入るのは絶対嫌やった。
 本当のこと書いて入ってやるって思った。
 私は東京へ行く!」
晴「漫画家になりたい人なんかいっぱいいる・
 そんな競争の世界で、あんたがやっていけるわけがない」
鈴「お母ちゃん、漫画は競争の世界やない。
 夢の世界や!私は夢の種を手に入れたんや!」