佐藤好春
「となりのトトロ」作画監督/朝ドラ「なつぞら」5/6放送「薪割り」原画制作

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──薪割り動画を描くテストは、
実際にアニメの制作会社で行われていたもので、
佐藤さんも描いた経験があるそうですね。

「実際の課題は“薪割り”ではなく“杭打ち”でしたけれど。
日本アニメーションの入社試験で、森康二さん(仲努のモデルかも?
と一部で囁かれている伝説のアニメーター)が出した課題のひとつでした。

──実際、原画を描いてみてどうでしたか。

「(略)線を多くすると動かすために時間がかかるし、
原画や動画枚数も増えます。芝居をつけるのも容易ではありません。
動いたとき服のしわはどうなるか、
模様のついた服を着ていたら模様はどうなるのかなど
リアリティーを追求していくと、手間と時間がかかります。
芝居を追求するほかにもエネルギーを使わないといけなくなると、
結果的に芝居のほうがお留守になっちゃうことがあって、
例えば、カメラワークの工夫で済ませるようになってしまいます。
それだと本末転倒ですから」