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『インハンド』山下智久、阿部寛を意識するも失敗? ボソボソしゃべりでセリフが8割聴き取れず……

何を言ってるのか不明な山P

 山下がドSの変人役を演じるということで注目を集めた今作ですが、恐らく誰もが思ったことでしょう。「山P、もうちょっとハキハキ喋ってよ」と。
セリフをボソボソと喋るのは今に始まったことではないですが、今回は変態感を出そうとしているのか、いつにも増して何を言ってるのか不明。
イヤフォンを装着しても半分ぐらいしか理解できず、専門用語に至っては聴取不可能。菜々緒と濱田が騒々しいため音量を下げると、山下のセリフは2割ぐらいしか聴こえなくなり、話を追うのに非常に骨を折りました。

 キャラクターに関しても、『ガリレオ』(フジテレビ系)の湯川学(福山雅治)や、『TRICK』(テレビ朝日系)の上田次郎(阿部寛)といった人気ドラマシリーズの変人キャラを継ぎ接ぎにしただけといった印象しか受けませんでした。
特に、低く抑えた声や“天才”と自称するあたりは上田のキャラを手本にしているように感じましたが、山下の場合はどこかに照れやカッコつけがあって、阿部のようなユーモアが滲み出てはこないんですよね。
やたらアップの画面が多く、美しい顔をただ眺めるだけで良いというファンにとっては最高のドラマなんでしょうけど。

 また、「天才、天才」と自画自賛する割に、それを際立たせるシーンは特になく、ストーリーに関しても一般的ではない感染病を題材にして奇を衒っただけ。
娘の復讐をするためにわざわざ引っ越しをして寄生虫を育てるための設備を整えてと、やたらに悠長な江里口の行動も疑問でした。
その挙句、どこぞの馬の骨ともわからない、自分の息子でもおかしくないほど年齢差のある紐倉に説得されて号泣という流れは、いくらなんでも無理があったように思えます。

 逆に良かった点は、視聴者の気分を害さないよう、寄生虫についての説明をアニメーションにする配慮や、紐倉に振り回される高家役の濱田のコミカルな演技、ぐらいですかね。
菜々緒に関しては、お得意の悪女役ではないものの気は強い、という何だか中途半端な立ち位置。とりあえずまだ初回なので、次回に期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)