日本の腕時計マーケット、腕時計の購買層の各セグメントの中でターゲットを
・そこそこデザインに敏感(シンプル系)
・世帯収入が高くない
・時計の選択にこだわりを持っている
・20代の一般サラリーマン
をコアに置く。(上下周辺ターゲットも視野に入れる。30代時計好き層など)

クラスターとしては、バブル後の就職難の時代を経験し、商品選択の目が厳しく、高価な
モノ=良いモノではない、自分が納得できるもの=良いモノという認識がある、経済観念
の高い消費者像。
無印良品・ユニクロ・GAPなど、安いがデザインも良いものを欲している消費者。
G-Shock、Swatchよりはスーツや仕事着に合うワンランク上のモノを探している。
ライフスタイルの変化により、ネットや通信費の消費支出が増えた若者はケータイでも時刻
を知ることができ、ROLEX/カルティエ/OMEGAなどには手が出ない一方、ビジネスシーン
に置いては手が届く価格のものであれば欲しいという潜在的な購買意欲は保有している。
デザイン性に関しては、先端を行くものではなくマス層の中で、自分はデザインのいいもの
が欲しいと思っている、若干上位に位置している層をターゲットに、幅広く受け入れられる
よう、シンプルなデザイン=センスがあると思わせるようなメッセージを発信する。
想定したターゲットに合致した価格であるが、機械式時計の中では比較的低価格な
ステイタス性に乏しい面をデザインとムーブの利点を訴求することで希薄化させ、価格に
関係なく「自分は好きでこれを選んだ」「こだわった結果」と消費者に思わせることがキーで
ある。

雑誌での紹介記事でも「自社ムーブ」という表現で、こだわり感を演出し、ステイタス性を
高める工夫が必要である。但し、過度の演出は不要。
過度の演出は、ターゲット層が「身近な」「親しみのある」「自分のような人のための」という
感覚をスポイルし、「そんなに上等な時計は、自分にはふさわしくない」と敬遠する場合も
あるからである。
手の届くプライスライン(の中で出来るだけ高く設定)とデザイン・ムーブのこだわり感の演出
により、広くターゲットに受け入れる施策が必要であろう。