すると奴は車から降りて私に掴みかかってきたので、私はその手を振りほどこうと揉み合いになりました。
その際、手が当たって奴の眼鏡が道路に落ちたのです。
揉み合っている内に何度か手が当たったくらいで殴り合いにもなっていませんが、奴は帰ろうとする私にしがみ付いて「ケーサツいこーよ!けーさーつ!」と泣きべそをかきながら絶叫していました。
私が奴の手を振り払って帰ろうとすると後ろから掴み、私が「やんのか?」と身構えると手を離す。
暫くはその繰り返しでした。
あまりにしつこいので私が「警察じゃなくてテメェの力で何とかしてみろ!」と怒鳴ると、奴は泣きながら奇声を上げてコンビニへと走って行きました。
面倒臭くなった私は、奴が戻って来た時に「今から首都高に行くぞ」と言って車の方に歩いて行くと、奴は後ろから私を羽交い絞めにしてボンネットに叩きつけてきたのです。
ふいを突かれた形だったので、履いていた雪駄が脱げ、そのままボンネットに何度も頭を打ちつけられました。
その際、私が振りほどこうとして暴れた際に頭が奴の顎にヒットしました。
当初、奴が言っていた「得意技はアッパーカット」はこの事です。殴り合いの結果ではありません。
その際、奴の手から逃げようとして結果的にボンネットの上に乗る事になりました。これがボンネットトランポリンの真実です。
実際に何処まで凹んだのかは私にも分かりません。
そうこうしている内に警察が到着し、各自事情聴取となりました。
奴は「先にボンネットに乗ったのは向こうだ」、「先に殴ってきたのは向こうだ」と警察に言っていたようですが、その辺の矛盾を警察も気付いていたようです。
先にボンネットに乗った私がどうやって殴る事が出来るのか説明してもらいたいですねw
結局、証拠無し、目撃者無しと云う事で事件化は難しいと説明され、私も翌日の仕事が控えているので、その場にてお開きと云う体裁にもっていきました。
これが事件当日の大まかな概要です。