高級腕時計、冷める転売ブーム 大手ブランドに暗雲 | WSJ PickUp | ダイヤモンド・オンライン
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高級ブランドではこのところ、需要を支えていた二つの柱が崩れている。
新型コロナウイルス流行下で余剰貯蓄を高級腕時計につぎ込んでいた消費者は高額支出の対象を旅行など他の分野に広げ、時計購入は控えるようになった。

投機目的の人々の存在も低下している。
高級腕時計は一時、新たなオルタナティブ投資の対象として人気を集めた。
暗号資産(仮想通貨)取引に熱心で「クリプト・ブロ」とひとくくりに呼ばれる人々の間では、ポートフォリオ多様化の一環として高級腕時計を購入し転売する動きが広がっていた。

転売は利ざやが43%に縮小しているため、魅力は低下している。売れ残りを抱えたくない投機家は取引から手を引いた。
腕時計の再販サイトでは在庫の急増が示されている。2021年には3週間足らずで売れたロレックスも、足元では供給過多のため3カ月以上市場にとどまっている。

熱心な時計コレクターは、価値を長く維持しているモデルを選別しようと観察を怠らず、中古価格が下落している時計には手を出そうとしない。
再販サイトでは腕時計の価値は9四半期連続で下落しており、需要減退が示唆されている。