夏目漱石を読む・小説・その思想 [転載禁止]©2ch.net

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0001考える名無しさん2015/02/16(月) 07:28:56.230
主な著書(小説)
「坊ちゃん」
「吾輩は猫である」
(前期三部作)
「三四郎」
「それから」
「門」
(後期三部作)
「彼岸過迄」
「行人」
「こころ」

「道草」
「草枕」
「虞美人草」
「明暗」

「夏目漱石論」蓮實重彦
「夏目漱石」江藤淳
「夏目漱石を読む」吉本隆明
「漱石論集成」柄谷行人

04252016/10/23(日) 00:21:01.990
夏目漱石は文学の象徴だな。
日本国の象徴のようなものだ。
天子さまのような存在。

0426考える名無しさん2016/10/23(日) 22:46:22.690
野茂英雄みたいな人だね。
この人が口語文を使い始めてから、我も我もと口語文使う人が増えた。
近代文学の祖みたいな人だ。

0427考える名無しさん2016/10/27(木) 15:23:49.45O
どうも漱石とは馬が合わないのか、何度試みても挫折する。
鴎外は読みやすく心地良いんだが。
鴎外が石見の人で、漱石が江戸っ子だからかね。
漱石原作の映像作品は楽しく見られるので、恐らく漱石の文体が合わないのだろう。

というのはもう二十年以上昔の話で、最近はとんと文学作品を読まない。
あれは、気持ちと時間と懐の全てにゆとりがないと読めないね。

04282016/10/28(金) 04:55:34.580
 彼人々は余が倶ともに麦酒ビイルの杯をも挙げず、球突きの棒キユウをも取らぬを、
かたくななる心と慾を制する力とに帰して、且かつは嘲あざけり且は嫉ねたみたりけん。
されどこは余を知らねばなり。嗚呼、此故よしは、我身だに知らざりしを、怎いかでか人に知らるべき。
わが心はかの合歓ねむといふ木の葉に似て、物触さやれば縮みて避けんとす。我心は処女に似たり。
余が幼き頃より長者の教を守りて、学まなびの道をたどりしも、仕つかへの道をあゆみしも、
皆な勇気ありて能よくしたるにあらず、耐忍勉強の力と見えしも、皆な自ら欺き、人をさへ欺きつるにて、
人のたどらせたる道を、唯ただ一条ひとすぢにたどりしのみ。余所に心の乱れざりしは、
外物を棄てゝ顧みぬ程の勇気ありしにあらず、唯たゞ外物に恐れて自らわが手足を縛せしのみ。
故郷を立ちいづる前にも、我が有為の人物なることを疑はず、又我心の能く耐へんことをも深く信じたりき。
嗚呼、彼も一時。舟の横浜を離るるまでは、天晴あつぱれ豪傑と思ひし身も、
せきあへぬ涙に手巾しゆきんを濡らしつるを我れ乍ながら怪しと思ひしが、
これぞなか/\に我本性なりける。此心は生れながらにやありけん、又早く父を失ひて母の手に育てられしによりてや生じけん。
 彼かの人々の嘲るはさることなり。されど嫉むはおろかならずや。この弱くふびんなる心を。
 

04292016/10/28(金) 04:55:59.190
赤く白く面おもてを塗りて、赫然かくぜんたる色の衣を纏まとひ、珈琲店カツフエエに
坐して客を延ひく女をみなを見ては、往きてこれに就かん勇気なく、高き帽を戴き、眼鏡に鼻を挾ませて、
普魯西プロシヤにては貴族めきたる鼻音にて物言ふ「レエベマン」を見ては、往きてこれと遊ばん勇気なし。
此等の勇気なければ、彼活溌なる同郷の人々と交らんやうもなし。この交際の疎うときがために、
彼人々は唯余を嘲り、余を嫉むのみならで、又余を猜疑することゝなりぬ。
これぞ余が冤罪ゑんざいを身に負ひて、暫時の間に無量の艱難かんなんを閲けみし尽す媒なかだちなりける。
 

04302016/10/28(金) 04:56:14.130
或る日の夕暮なりしが、余は獣苑を漫歩して、ウンテル、デン、リンデンを過ぎ、
我がモンビシユウ街の僑居けうきよに帰らんと、クロステル巷かうの古寺の前に来ぬ。
余は彼の燈火ともしびの海を渡り来て、この狭く薄暗き巷こうぢに入り、楼上の木欄おばしまに干したる敷布、
襦袢はだぎなどまだ取入れぬ人家、頬髭長き猶太ユダヤ教徒の翁おきなが戸前こぜんに佇たゝずみたる居酒屋、
一つの梯はしごは直ちに楼たかどのに達し、他の梯は窖あなぐら住まひの鍛冶かぢが家に通じたる貸家などに向ひて、
凹字あふじの形に引籠みて立てられたる、此三百年前の遺跡を望む毎に、
心の恍惚となりて暫し佇みしこと幾度なるを知らず。
 今この処を過ぎんとするとき、鎖とざしたる寺門の扉に倚りて、声を呑みつゝ泣くひとりの少女をとめあるを見たり。
年は十六七なるべし。被かむりし巾きれを洩れたる髪の色は、薄きこがね色にて、
着たる衣は垢つき汚れたりとも見えず。我足音に驚かされてかへりみたる面おもて、
余に詩人の筆なければこれを写すべくもあらず。この青く清らにて物問ひたげに愁うれひを含める目まみの、
半ば露を宿せる長き睫毛まつげに掩おほはれたるは、何故に一顧したるのみにて、用心深き我心の底までは徹したるか。

森鴎外『森鴎外』青空文庫より

0431考える名無しさん2016/11/20(日) 22:30:54.730
サルトルの「嘔吐」やカミュの「異邦人」なんか皆さんはどう思われてるだろう
昔なんかその気分になって翻訳を読んだことがあった
そして今は、「嘔吐」はハイデガーの「時間と存在」のなかの『不安』をモチーフにした小説だということ(当時からわかっていたかもしれない)
「異邦人」はサイコパス的人物を北アフリカの砂漠の環境に置いたような、そこで青年になったランボーを描いたような作品だと思っている

日本にはこのような抽象的な着想を肉付けして作品化したものは少ないですよね
「砂の女」や「箱男」の安倍公房、「金閣寺」の三島由紀夫、等でしょうか
少なくとも漱石にはこういう面白さはないですよね
時代の制約でしょうか

0432考える名無しさん2016/11/21(月) 09:54:48.470
空虚で意味のない分析だね
ただ登場人物を例えるだけで小説がなにをテーマにしているのか伝わらない
或いはきみが感じた心の情動もね

サイコパスの話と言いたいだけなの?
ただそれだけ?

04332016/11/21(月) 19:47:36.000
安倍公房の『砂の女』ね。『箱男』『壁』とかしか読んでないけど、出口のない世界、入り込んで出られない世界ね。
コンセプトはおもしろいし、だいぶ難しい小説だよ。実存主義的な哲学お持ちのようで、
東大医学部の芸術家だよね。

04342016/11/21(月) 20:30:11.230
おれひとつ疑問がある。おれって一般的に言えば二十歳の頃から結構小説も学術書も読んだと思うんだけど、
はっきりいって浅く広く読んでんだよね。それでも随分難しい本読んできたり、純文学読んだけど、本当の読書家とは言いがたい。
いつまででも小説読めたり、思想書読んだりする人いんじゃんね。博学のある人。
大学院出た人。小説家、思想家、学者や専門家などなど。全然読書量が違う。かといって、しのちゃんそんなに大量に本読めないんだよね。
本読むより人と関わり合いたい願望がある。芸能界のことも好きだし、人の顔とかキャラクターに興味がある。
そんなんで小説書けるのかなあと思う。まあたぶん文章力磨けばおもしろいもの書けると思うけど、
山田詠美がいっていたけど、世界文学全集全部読んでから書いてほしいようなこといっている。
だけどそんな大量の読書はできない。おれの気質的に2時間読書したら、もう外に出ていろいろな経験したり、
文章を書いたりしたい。昔から情報量が脳に貯まると自動的に1人になって、ジッと考えごとしたくなる。
読書もっとしなくちゃなとは思うけど、無理にでも詰め込んだ方がいいかなと思う。

0435考える名無しさん2016/11/27(日) 13:34:36.250
異色の哲学小説が大ヒット中!元アイドル・原田まりるさんはなぜ、「哲学小説家」を目指したのか?

https://job.yahoo.co.jp/

0436考える名無しさん2016/11/27(日) 13:55:04.790
漱石みたいに人生最後の十年に書き出したのはすごい

0437考える名無しさん2016/12/09(金) 14:03:10.160
>>434
才能というやつだな。どんな分野についてもそうだ、その分野で才能のあるやつが秀でるんだ。
受験だってそう、受験の才能のないやつがどんなに頑張って勉強しても東大には入れないよ。
才能を運の一つと言うとも可能だけどね。

0438考える名無しさん2016/12/10(土) 02:30:15.560
>>437
試験に受かるかどうかは、勉強が好きかどうかによるな。
勉強が好きな奴は勉強を頑張るなんて意識はまったくない。
ただ好きなことをやってるだけ。

どの分野でも、要するに好きであれば、それを才能というんだよ。

0439考える名無しさん2016/12/10(土) 16:39:35.850
才能には、親から貰った遺伝的な頭の良さもあることも事実としてある。
大学受験にしても、多くの受験生は皆、“必死”になって勉強をしている。
にも関わらず、生まれつき頭の良い人は、すんなりと受かっている。別に勉強が好きでも
嫌いでもないのに合格しているのである。 親から貰った頭の良さを、これも才能の内と言って
しまえばそれまでではあるが。

0440考える名無しさん2016/12/10(土) 21:00:44.260
>>439
「遺伝的な頭」の良し悪しはたしかにあるだろうが、自分の周りの東大卒はみんな勉強が好きだな。
仕事に対して「勉強」的に粘着するし、リタイア後でも、いくつもの趣味の「勉強」に余念がない。
好奇心とも少し違う、「勉強」することが好きな人たちしかいないな。

0441考える名無しさん2016/12/11(日) 08:56:46.450
まあ、見立てが違うな。

東大に入っている人間は小さい頃から受験に必要な訓練を受けられた人か、本当に自頭がいい人間のどちらかだ。

大概誰でも小さい頃から、訓練を受ければ東大に入れる可能性は高いだろう。
それに比べて、普通にすごしてきて東大に入った人間は地方であれば、街一番になってその地域で1番の進学校
に入り、その進学校のなかで10番以内に入れた人だと決まっている。

0442考える名無しさん2016/12/11(日) 09:58:42.150
>>441
地頭とかいうのは、ある種のスーパーマン妄想だね。

将棋の米長名人は、兄は馬鹿だから東大に行き、自分は頭が良いから将棋指しになった、と公言していた。
その米長が園遊会で得意げに国旗掲揚運動を自慢してたしなめられた。
頭の良さとは、所詮その程度。

お笑い芸人の又吉は東大生より優れた文学者になった。
「地頭」を自慢していた東は、いまだに同人誌レベルの雑誌の主催者に過ぎない。

普通に過ごしていたというのは、毎日楽しく勉強していただけのことだろう。
ある東大合格者は勉強が好きだったので、勉強時間を制限するのが大変だった。
徹夜で漫画を読む子供と同じことだった。

少数の例ですべてを語ることができないのと同じように、一大学の合否で「地頭」などという幼児のような妄想を持ち出しても、なんの意味もない。

0443考える名無しさん2016/12/16(金) 18:55:44.170
漱石の本格的な議論が少しもないないブログだな
文学中年のセンズリ専用のかな

頭の良しあしが話題になってるようだが
好きなことに没頭できるってのは幸運ってことだよ
目覚めたらラッパになっていたとしても誰の落ち度でもない、と言った奴がいたが
頭がいいってことはその程度のことだよ
ところで、ランボーは自分は頭がいいと思ったことがあったろうか

0444sage2016/12/16(金) 19:02:14.520

0445考える名無しさん2016/12/16(金) 19:08:56.760
>>443
リア充の男は自分が頭がいいと思ってる。

リア充の女は自分が美人であるか人気者だと思ってる。

0446考える名無しさん2016/12/17(土) 14:56:51.950
ハイデガ−ではないが、「人間は、生まれたときには既に、自分では決めたわけでもない
一定の時間空間的状況の中に否応なしに投げ込まれ、そこから抜け出すことができない。」と
述べているが、生まれつき頭の良い人は多々見受けられる。それを運命と言ってしまえばそれまでではあるが。

0447考える名無しさん2016/12/17(土) 14:59:57.800
>

0448考える名無しさん2016/12/17(土) 15:07:07.410
ハイデガ−ではないが、「人間は、生まれたときには既に、自分で決めたわけでもない一定の時間的空間的状況の
中に否応なしに投げ込まれ、そこから抜け出すことができない。」と述べているが、 生まれつき頭の良い人は多々
見受けられる。それを運命と言ってしまえばそれまでではあるが。

0449考える名無しさん2016/12/17(土) 18:44:11.510
>>448
人間の頭の働きというのは、身体とは比較にならないくらいの可塑性があるんだよ・・・

0450考える名無しさん2016/12/17(土) 21:14:55.520
漱石名言集

女には大きな人道の立場から来る愛情よりも、多少義理をはずれても自分だけに集注される親切を嬉しがる性質が、男よりも強いように思われます。

もし人格のないものが無闇に個性を発展させようとすると、他を妨害する。権力を用いようとすると、
濫用に流れる。金力を使おうとすれば、社会の腐敗をもたらす。随分危険な現象を呈するに至るのです。

世の中に片付くなんてものは殆どありゃしない。一遍起った事は何時までも続くのさ。ただ色々な形に変るから、他にも自分にも解らなくなるだけの事さ。


のどかな春の日を鳴き尽くし、鳴きあかし、また鳴き暮らさなければ気が済まんと見える。
その上どこまでも登って行く、いつまでも登って行く。雲雀はきっと雲の中で死ぬに相違ない。
登り詰めた揚句は、流れて雲に入って、漂うているうちに形は消えてなくなって、ただ声だけが空の裡に残るのかもしれない。

考えてみると世間の大部分の人は悪くなることを奨励しているように思う
。悪くならなければ社会に成功はしないものと信じているらしい。たまに正直な純粋な人を見ると、坊ちゃんだの小僧だのと難癖をつけて軽蔑する。

離れればいくら親しくってもそれきりになる代わりに、いっしょにいさえすれば、たとい敵同士でもどうにかこうにかなるものだ。つまりそれが人間なんだろう。

0451考える名無しさん2016/12/17(土) 21:15:45.130
漱石名言集

運命は神の考えることだ。人間は人間らしく働けばそれで結構だ。

人間はね、自分が困らない程度内で、なるべく人に親切がしてみたいものだ

嫌な女も好きな女もあり、その好きな女にも嫌なところがあって、その興味を持っている全ての女の中で、
一番あなたが好きだと云われてこそ、あなたは本当に愛されているんじゃありませんか?

色を見るものは形を見ず、形を見るものは質を見ず。

自己を捨てて神に走るものは神の奴隷である。

真面目とはね、君、真剣勝負の意味だよ。

真面目に考えよ。誠実に語れ。摯実に行え。汝の現今に播く種はやがて汝の収むべき未来となって現わるべし。

恐れてはいけません。暗いものをじっと見つめて、その中から、あなたの参考になるものをおつかみなさい。

自分の好きなものは必ずえらい人物になって、きらいなひとはきっと落ちぶれるものと信じている。

道徳に加勢する者は一時の勝利者には違いないが、永久の敗北者だ。
自然に従う者は一時の敗北者だが、永久の勝利者だ。

表面を作る者を世人は偽善者という。偽善者でも何でもよい。表面を作るという事は内部を改良する一種の方法である。

わざわざ人の嫌がるようなことを云ったり、したりするんです。
そうでもしなければ僕の存在を人に認めさせる事が出来ないんです。僕は無能です。
仕方がないからせめて人に嫌われてでもみようと思うのです

前後を切断せよ、みだりに過去に執着するなかれ、いたずらに将来に未来を属するなかれ、満身の力を込めて現在に働け。

0452考える名無しさん2016/12/18(日) 09:52:53.910
脳の可塑性 :脳の可塑性とは「発達段階の神経系が環境に応じて最適の処理システムを作り上げるために、
よく使われるニューロンの回路の処理効率を高め、使われない回路の効率を下げるという現象」のことであり
「発達期の脳において顕著にこの性質が観察される」(「ある科学論文の誕生」より)。

0453考える名無しさん2016/12/18(日) 13:55:50.190
夏目漱石の魅力について(講演60分、質疑応答20分)茂木健一郎
https://www.youtube.com/watch?v=ieqD-UN8MSA

赤シャツのくだりとか へぇー だった

0454考える名無しさん2016/12/18(日) 20:41:14.740
阿部公彦著作
『モダンの近似値――スティーヴンズ・大江・アヴァンギャルド』松柏社、2001年
『即興文学のつくり方――オスカー・ワイルド、T・S・エリオット、W・C・ウィリアムズ、W・H・オーデン、ピーテル・ブリューゲル、チャールズ・トムリンソン、夏目漱石、小島信夫、大岡信、蓮實重彦、村上春樹、野球、サッカー』松柏社、2004年
『英詩のわかり方』研究社、2007年
『スローモーション考――残像に秘められた文化』南雲堂、2008年
『英語文章読本』研究社、2010年
『小説的思考のススメ――「気になる部分」だらけの日本文学』東京大学出版会、2012年
『文学を〈凝視する〉』岩波書店、2012年
『詩的思考のめざめ――心と言葉にほんとうは起きていること』東京大学出版会、2014年
『英語的思考を読む――英語文章読本II』研究社出版、2014年
『善意と悪意の英文学史――語り手は読者をどのように愛してきたか』東京大学出版会、2015年
『幼さという戦略――「かわいい」と成熟の物語作法』朝日選書、2015年

なんか受験参考書のタイトルが並んでいるという感じだね、発想が受験参考書的とでもいうか
この調子だと『文学のわかり方』『ノーベル賞文学の書き方』なんて本も書けそうだね

1998年に「荒れ野に行く」という小説で早稲田文学新人賞受賞をとったということだが
文学者より5流小説家をやってたほうがよさそうだよ
1997年にケンブリッジで博士課程を修了したようだが、かの地で一体何をやってたのやら
まさかここが「荒れ野」というわけじゃないだろうね

0455考える名無しさん2017/01/01(日) 12:34:15.700
あげ

0456漱石の「元旦」青空文庫より2017/01/01(日) 13:10:45.340
元日を御目出たいものと極めたのは、一体何処の誰か知らないが、
世間が夫れに雷同しているうちは新聞社が困る丈である。
雑録でも短篇でも小説でも乃至は俳句漢詩和歌でも、苟くも元日の紙上にあらわれる以上は、
いくら元日らしい顔をしたって、元日の作でないに極っている。

一昨年の元日に虚子が年始に来たから、東北と云う謡をうたったところ、虚子が鼓を打ち出したので、
余の謡が大崩になったという一段を編輯へ廻した。実は本当の元日なら、余の謡はもっと上手になってる訳だから、
其の上手になった所を有の儘に告白したかったのだが、如何せん、筆を執ってる時は、元日にまだ間があったし、
且虚子が年始に見えるとも見えないとも極まっていなかった上に、謡をうたう事も全然未定だったので、
営業上已を得ず一年前の極めて告白し難い所を告白したのである。
此の順で行くと此年は又去年の元日を読者に御覧に入れなければならん訳であるが、
そうそう過去のまずい所ばかり吹聴するのは、如何にも現在の己に対して侮辱を加えるようで済まない気がするから
故意と略した。それで猶のこと塞えた。

実を云うと十二月二十三日である。家では餅もまだ搗かない。町内で松飾りを立てたものは一軒もない。
机の前に坐りながら何を書こうかと考えると、書く事の困難以外に何だか自分一人御先走ってる様な気がする。
それにも拘らず、書いてる事が何処となく屠蘇の香を帯びているのは、正月を迎える想像力が豊富なためではない。
何でも接ぎ合わせて物にしなければならない義務を心得た文学者だからである。
もし世間が元日に対する僻見を撤回して、吉凶禍福共にこもごも起り得べき、平凡且乱雑なる一日と
見做して呉れる様になったら、余も亦余所行の色気を抜いて平常の心に立ち返る事が出来るから、
たとい書く事に酔払いの調子が失せないにしても、もっと楽に片付けられるだろうと思う。
尤もそうなれば、初刷の頁も平常に復する訳だから、とくに元日に限って書かねばならぬ必要も消滅するかも知れない。
それも物淋しい様だが、昨今の如き元日に対して調子を合せた文章を書こうとするのは、
丁度文部大臣が新しい材料のないのに拘らず、あらゆる卒業式に臨んで祝詞を読むと一般である。

0457考える名無しさん2017/01/02(月) 05:46:23.560
因みに、元旦がめでたいのは、神武天皇が元旦に即位したとされるから。
日本の歴史は前にも書いたとおり、~の世と人の世がつながった、世界でも唯一の歴史体系。
神武天皇は、天照大神の五代目の子孫、と言うことになっている。
その、人の世の初代の神武天皇が即位された日が元旦。

これは事実かどうか、なんて穿鑿をするのは無意味なわけで、半分が神話の世界だ。
重要なのは、先人たちがそれを長きにわたってうけいれ、我々の知見として育ててきたこと。
つまり、それがわが国の文化を構成するもの。

帝国主義時代には国威発揚のために大いに誇張され、大東亞戦争敗戦後は
反日売国奴が数千人規模でアカポス入りしたことで、大いに歴史歪曲卑下自虐に走って現在に至っている。
嘆かわしいかぎりだ。

0458考える名無しさん2017/01/16(月) 00:16:25.640
カナダのピアニスト、グレン・グールドは晩年『草枕』を愛読してたそうだね

0459考える名無しさん2017/01/21(土) 20:26:35.020
漱石自身は、あまり音楽に興味なかったようだが。

0460考える名無しさん2017/01/22(日) 18:42:09.840
>>459
謡は好きで、師匠を自宅に招いて稽古に励んだけどね。

音痴だったらしい・・・

0461考える名無しさん2017/03/04(土) 09:33:43.600
漱石の小説を読むと、いろいろな金のやりとりの場面が出てくるけど、明治期の人て、臆面もなく縁ある人に金をせびるんだな。
『道草』の島田とか、どのツラ下げて漱石に金の工面を申し出るのか。貸す漱石も漱石だけど。

今の時代だと親戚にいっても金なんて貸してくれないのに、昔の人はなきゃないである人のところにいく、みたいな。

0462学術 2017/03/04(土) 12:15:04.990
削除 。低レベル過ぎる。

04632017/03/04(土) 12:19:17.110
何が。だったらなんか書いてみろ低脳

0464学術  芦原。2017/03/04(土) 12:33:34.080
書けばいいのか?高能と。

0465学術  芦原。2017/03/04(土) 12:34:12.330
高能哲学。

0466美魔女2017/03/04(土) 20:11:42.510
夏目漱石のスレがあったんですね。

素敵ですね😃

子供の頃読んでいた時の時間が戻りそうで

深く懐かしく浸れるの

0467学術  shinscake adnei2017/03/04(土) 20:13:00.760
猫でも低レベルは。人間の責任の。

0468考える名無しさん2017/03/08(水) 10:14:22.270
>>461
島田って、養父だろ?

幼少時の数年間は、漱石をなに不自由なく育てたんだぞ?

0469考える名無しさん2017/03/08(水) 10:40:00.080
>>461

あぁ〜。『道草』全部読んでませんねw

04704692017/03/08(水) 10:40:42.980
間違った

>>468
に言った。

0471考える名無しさん2017/03/08(水) 18:19:31.760
>>470
なぜ、そう思うの?

0472考える名無しさん2017/03/08(水) 22:23:10.450
全ては島田の不徳の致すところだから。

0473考える名無しさん2017/03/11(土) 04:47:26.380
夏目漱石の「こころ」

先生とk

先生は自殺に見せかけてkを殺した
自殺に見せかけた殺人だった

先生は罪の意識にさいなまれて自殺した

0474考える名無しさん2017/03/11(土) 10:24:07.960
>>472
かりにも養父だからなあ。

それに、養父は、不行跡によって没落をしたというより、時代に翻弄されただけともいえそうだ。
漱石自身も時代の波に抗っていたから、養父の没落には同情的だったのだろう。

智と情の両面から対応しているから、住みにくい世に向かい合わなければならなかったのだろう。

0475考える名無しさん2017/04/30(日) 14:37:17.630
文学は剣より強いのか??
いじめ殺しを許さない社会にしようぜ!!!!
       ↓
上松煌(うえまつあきら) 作
★「九月の葬奏」(1作目「友だちを〜」と共に、作者の出生の本懐です)★
https://slib.net/71188

『作品紹介から』
 初作の『友だちを殺した』と共に、作者の出生の本懐といえるものです。
世間を震撼させた「多摩川・中学生虐殺事件」に衝撃を受け、日本社会に警鐘を鳴らし
たくて書きました。
時間のないかたは、後半〜末尾にかけての主人公の「独白」をごらんください。
社会のあり方、人間の人間たる倫理正義・矜持襟度・慈悲情愛の大切さを、死をもって
訴える場面です。 問題提起の性格上、過激・苛烈な表現があります。 2015年。
作順では5番目。

プロフィール ←作品けっこう意識高いぜ。命は大事にしろ。
http://slib.net/a/21610/

社会が傍観者ばかりになったら、コワイでぇ!

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