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 韓国経済に詳しい愛知淑徳大ビジネス学部の真田幸光教授は
「個人の借金が増える背景として、コロナ禍に伴う経済的な打撃による借入金の増加が
あることは間違いない。しかしこれに加えて、バブル化した資産を担保に
借金を重ね投機をする動きがあることにも留意しておきたい。
不動産を実利ではなく投機として運用している」と解説する。

 KB国民銀行によると、首都ソウルの4月のマンション平均売買価格は
約11億1100万ウォン(約1億954万円)で過去最高を記録した。
市民団体の調査では、2017年からの4年間でほぼ倍増したという。

 韓国ではあらゆる手段で借金し、資金を調達する「ヤンクル」と呼ばれる人々の存在も
指摘されている。就職難を背景に不動産や株式、仮想通貨(暗号資産)への投資に
のめり込む若者も多いというのだが、コロナ禍の経済対策として韓銀が政策金利を
引き下げ、低金利でお金を調達できるようになったこともバブルを過熱させている。

 真田氏は「米国などでも見られるコロナ禍に伴う新規住宅購入意欲の高まりに加え、
韓国に特徴的に見られる不動産投資の背景も重要だ。韓国には『福夫人』という言葉があり、
家計の余剰資産を夫に代わってうまく運用できるのが良い妻だとされる。
低金利融資が続けば、余裕がある富裕層はさらに不動産への投機を加速させていく」
と指摘する。

 コロナ前から韓国の不動産高騰は社会問題になっていたが、文政権は解決するどころか
事態を悪化させた。前出の真田氏は「不動産価格を安定化できない文政権への批判が
高まっているが、コロナ禍では簡単に金融引き締めへと方針転換できず、
簡単に不動産投機を抑制できるような基礎環境にはない」と語る。