韓国向けモデルナワクチンの「屈辱的契約」、月別・四半期別の供給計画もなかった
記事入力 : 2021/08/18 07:51

 韓国政府がモデルナとワクチン供給契約を結んだ際、四半期ごとにどれだけの量の
納入を受けるか具体的に契約していなかったことが分かった。これまでワクチン供給の
具体的契約内容は「製薬会社との機密保持契約」で明らかにできないとしてきたが、
それを明かしたものだ。米国と欧州連合(EU)は供給量も契約書に盛り込んでいた。

 中央事故収拾本部のチョン・ウンヨン・ワクチン導入事務局長は17日、
「製薬会社(モデルナ)との契約で年内の導入量(4000万回分)は明示されているが、
月別、四半期別の具体的な供給日程は通常協議を通じて決めている」と説明した。
モデルナが7−9月に韓国に供給するとしていた量を10−12月に一度に供給しても
「契約違反」とは言えないことになる。
チョン事務局長は「月別、四半期別の具体的な供給日程は継続的に協議している」とし、
契約書に月別、四半期別の供給日程は書かれていないことを改めて認めた。
モデルナのワクチンは昨年12月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領がモデルナの最高経営
責任者(CEO)と電話交渉を行い、4000万回分の供給を受けることが決まった製品。
しかし、「5月からできるだけ早く4000万回分の供給を受ける」とする発表とは異なり、
16日までに導入されたのは245万5000回分(6.1%)にとどまっている。
7月の納入は相次いで遅延し、8月の供給は「半分」を供給すると通知された状況だ。

 当局はこれまで月別、四半期別の具体的な供給量が契約書に明記されているか
どうかすら「秘密契約」だとして口をつぐんできたが、海外は異なる。
米政府は保健福祉省のウェブサイトでモデルナとの53ページから成る契約書を公開した。
そこにはワクチン供給量、契約規模、ワクチン供給単価が記載されており、
時期別の導入量も内容は隠されているが、明らかに含まれていることを確認できる。
EUがアストラゼネカ(AZ)と結んだ契約書にも月別供給量が含まれている。
翰林大聖心病院のチョン・ギソク教授(元疾病管理本部長)は
「政府が昨年末に急いでモデルナと契約を結ぶため、(交渉を)不利に進めた可能性がある。
それまで『四半期別供給量』を公式に発表してきたのは国民を愚弄する行為だ」と述べた。

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