日本語の動詞表現の「〜る」は、作用/効果としての「〜」という態様を
表していると考えるおとができる。「あ」は、「こ」、「そ」との対比
において「不特定に離れている」態様を表現していると考えられるので、
「ある」は、英語に言い換えるなら、いわば「be around」ということ
になるだろう。「〜く」という形の動詞表現、例えば、「あ(開)く」や
「あ(飽)く」は、「自らの作用/効果としての『〜』という態様」を表現
している。「あ(開)く」と「あ(飽)く」のようなアクセントの違いは、
国語辞典などにおいては、しばしば、語源の違いと解釈されるが、
むしろ、「あ」によって表現される同じ態様の現れ方の違いを区別する
ためにアクセントを変えていると考える方が妥当であろうと思う。