時間と空間の学問的定義は、ドイツ哲学における弁証法の主要な問題であったのであり、カント・ヘーゲルにおいてすでに学問的に解決されている問題であるからである。
具体的にどういう風に解決されたのかと言えば、世界は変化・発展・運動している過程の複合体であるが、この変化している世界を静止的にとらえた謂わば断面が空間であり、運動している世界を変化しているという一般性において把えたものが時間という概念の中身なのです。
したがって、実在するのは変化・発展・運動している世界のみであって、それとは別に空間や時間なるものが存在しているわけではありません。