時間はなぜ取り戻せないのか?あなたを揺るがす思考実験
https://shimirubon.jp/reviews/1690858

結論
(1)ミンコフスキー時空の世界線に動きはない。それは(空間と時間を超越して)ただ存在するだけである。
(2)生命はもろい秩序であり、つねにエントロピー増大の嵐と戦わねば生き残れない。
(3)生命はもろい秩序であるが、自己増殖による自然選択という手段によって進化する。
(4)生命が自然選択によって最初に獲得した能力は、主観すなわち主体的意思である。なぜかといえば、生きるという意思を持つこと以上に、生き残りに有利な能力はないからである。
(5)主体的意思を持つためには、細胞内の秩序集団はたんなる物理法則を超えた、共鳴的なフィードバック・システムを獲得しなければならない。
(6)細胞内の共鳴的フィードバック・システムは、空間的にみればシステムであるが、細胞に大きさがある以上、それらのシステムは時間的にも働かねばならない。
(7)ミンコフスキー時空上では、共鳴的フィードバック・システムは、時間軸の正方向に向かってスパイラルを描く。蛇足ながら、スパイラルの軸が時間軸の正方向を向く理由は、エントロピーがその方向に増大するからである。
(8)このスパイラルは、時間軸方向に速度ベクトルを生む。この速度ベクトルこそが、主観すなわち生命の主体的意思にほかならない。
(9)すなわち、生命は、空間的にはシステムであり、時間的には主体的意思である。時間は内観であり、空間として姿を現さない。それゆえ科学の客観的対象からはずされてきた。
(10)ミンコフスキー時空に主体的意思としての速度ベクトルを置けば、主体的意思が過去の光景を見るのに未来の光景が見えない理由が説明できる。
つまり主体的意思の速度ベクトルこそが、時間の流れを作り、過去と未来を非対称にしているのである。