ブルターニュ、ウェールズ、スコットランド、アイルランド、ガリシアなどの
歴史について語るスレです
0531世界@名無史さん2018/03/20(火) 08:38:50.500
>>524
識字層ではないけどマルチバイリンガルって近代以前では珍しくないと思うけどな
ガリア人はポカイア人と広く交易してたのだから当然ギリシャ語を知っていた人も多かったでしょう リンドウ・マンの頭部(復元図)
https://daisukilon.exblog.jp/23158163/
1984年8月、イングランドのマンチェスターの南15qにあるリンドウ・モスの泥炭湿地で
若い男性の遺体が見つかった。放射性炭素年代測定法で年代を測定した結果、遺骸は
紀元後1世紀のケルト人と判明した。この遺体は、発見場所の地名をとって「リンドウ・
マン」とよばれる。現在は大英博物館で展示されている。
リンドウ・マンは、ドルイドの指揮のもと、祭儀の場で生贄にされた犠牲者であった
可能性が非常に高い。 >>530書いた後思い出した
ウェールズの自称はCymru(カムリ)で意味は「同胞」「仲間」
Walesはアングロサクソンから見たウェールズ人が「よそ者」だったということで
世界中のウェールズの呼称がこの英語に由来する
ただエスペラントだけはウェールズをKimrio(キムリーオ)またはKimrujo(キムルーヨ)と呼ぶ
(Kimroが「ウェールズ人」、民族名に由来する国名は-ioと-ujoで割れることがある) 漫画の中だと、アイルランドのドルイドが戦の前に部族の男たちに向かって、
「死を恐れるな、死こそマーグメルド(歓びの野)への道、死こそまことの生への道、
マーグメルドには勇者のみが迎えられる」
といって煽り立てる場面が出てくる。
死を恐れないなんて、欧米人から見た特攻隊やイスラム過激派みたいだな。
ゲルマンだって勇敢に戦って死ねばワルキューレが迎えに来てヴァルハラに連れてくんだから同じなんだけどな。
>>537
ゲルマン人のうち北欧あたりに広がった人々をノース人と呼ぶ。彼らの神話が北欧神話である。
北欧神話では戦場で死んだ勇者の魂はワルキューレ(英 バルキリー)によって主神オーディンの
居城であるヴァルハラに運ばれる。いずれ訪れるラグナレク(神々の黄昏)の時にオーディンとともに
戦うために日々訓練に明け暮れているという。ちなみに夜は宴会。
キリスト教会が異端として抹消したので資料としてちゃんと残ってるのは北欧神話だけだけどワグナーの
「ニーベルングの指輪」の元ネタになった「ニーゲルンゲンの歌」というドイツ語で書かれた中世の叙事詩に
既にキリスト教化されつつもキリスト教以前の古い神々の記述があって、例えば主人公ジークフリートの
物語は北欧神話のシグルトの物語を素材としている。つまり北欧神話は北欧だけじゃなくて広く
ゲルマン人に共通の神話だったであろうということ。ワグナーもそういう解釈で作品作ってるし。
ちなみにバイキングとして侵入してきたノース人に対しフランス王は侵略された土地の支配を認める代わりに
自分の臣下になることを要求した。フランスに定住したノース人はノルマン人と呼ばれその土地はノルマンディーと
なった。 ドイツはドイツ語世界の中のさまざまな「英雄」を祀る神殿を持っていて
それをヴァルハラ神殿と呼んでいるよね
ノーベル賞みたいな功労者を称えるシステムだ(けど、靖国神社みたいだってボソッと言ったら怒られそう)
ヴァルハラ神殿は知らなかったよ。ナポレオンによって神聖ローマ帝国が解体され第四次対仏大同盟も
敗れ、ドイツ民族がフランスの敵と味方に引き裂かれた時代にドイツ民族の歴史を称揚しようとしたわけだ。
当時の旨いものが猪肉ってのはわかるのでそこは草
トールの逸話で骨髄をすすってて、美味しいもの扱いだったのもおもろい
>>538
すごいグノーシスな気がするが
やっぱドイツにもそれ系の影響があったのだろうか
だったら本質は全く別の宗教だったりして >>542
え、どの辺がグノーシスっぽいの?もっとプリミティブな原始社会によくある感じの話だと思うけど。 >>544
それはグノーシスの特徴ではない。創造主が善ではないというのがグノーシスの特徴。
例えばそれらの要素はキリスト教にもある。キリスト教の初期にはグノーシス主義のキリスト教徒も
居たわけだが善なる神が創造主であるという主張が主流となり、グノーシスの信奉者は異端として
排除された。グノーシスは善なる絶対神が創造したにしてはあまりに不完全で不条理な世界に絶望して、
創造主は善なる神ではないと考える。悪によって創造された、もしくは悪意によって歪められたと。 ローマ法王は仏教もグノーシスとか言ってるぞ
グノーシスは当時、キリスト教以前の禁欲宗教の流れを言うだけだよ
エレウシスの密儀、ピタゴラス教団、オルフェウス教、セラピス教、ミトラス信仰
そしてユダヤ教エッセネ派
「悪の創造主」なんてのも絶対ではない
>>546
そこを認めなかったらキリスト教こそグノーシスと区別できないでしょ。 0548世界@名無史さん2018/03/28(水) 22:52:28.650
ローマのでっかいホールに巣食う宗教屋さんのセールストークとしての他宗教への罵声であるグノーシス主義規定と、現実に基づいた学問的なグノーシス主義規定を混同しちゃいけないでしょう。
ケルト人といえば、獰猛で荒っぽい戦士と考える人が多いかもしれないが、
たいていのケルト人は農民で、孤立した農場や小さな村落に暮らしていた。
農耕より牧畜や狩猟を好み、穀物より肉類を主としていたんじゃないの
大陸のケルト人は
鉄器時代のケルト社会は原始的な農耕と牧畜社会を営んでいた。
古代ローマの歴史家・地理学者ストラボンは、ケルト人が領地の大部分の土地で
大量の穀物のほか、雑穀やナッツ類を栽培し、あらゆる種類の家畜を飼っていたことを
報告している。
濃厚より狩猟を好むのはゲルマン人だったかもしれん。ゲルマニアに書いてあったような。
ケルトの戦士ときいて連想するのは二輪戦車(チャリオット)だな
西アジア起源の戦車がどのようにしてケルト人に伝わったのかはわからんが
クルガン文化の時点でチャリオットは印欧語族諸民族に共有されていただろう
0555世界@名無史さん2018/04/03(火) 07:24:35.880
でも草原地帯と比べてスピード感はなさそう
アイルランド人はケルト系といわれるけれど、ヴァイキングの血も
混じっているんだよな
ダブリン、ウォーターフォード、ヨール、ウェクスフォード、セント・マリンズ、
コーク、シャノンなどにはヴァイキングの入植地がつくられていた
ローマで聖人認定の機関ができるまでならいくらでも地元で聖人作れるからな
聖コルンバとか聖フルサとか……いくらでもいそうだな
アイルランドはキリスト教化されてからも、
妖精だの取り替えっ子だのという迷信が強く残っていたらしい
いやそもそもブリタニア出身でウェールズ人とも言われている聖パトリックは
アイルランドでドルイド勢力を抑えてそれに替わる宗教勢力を築いたとは言え
そこで作られた教会の教義がドルイドと無縁だったわけもなく
もしそれが幾つもの公会議の決定を経た、まぎれもないカトリックの教えだったのなら
教皇ハドリアヌス4世がヘンリー2世にアイルランド教化を目的とした攻撃を許可するわけもないのだ
パトリックは、ドルイドに替わる新しいエスニシティをアイルランドに与えたことになる
いわばカトリックの教義がアイルランドに食われたのだ
アイルランドのキリスト教がヨーロッパ大陸のそれと違い、きわめて異色と
いわれるのは、キリスト教会が布教にあたり、土着のドルイド教と対決することを
避け、ケルト神話も否定せずにこれを認めてきたこと
0564世界@名無史さん2018/04/09(月) 20:46:06.750
ちょっと違う
パトリックが布教を行ったのは当時キリスト教化が不十分だった北部・西部地域。
彼はアイルランドの教化に先鞭をつけた人物とは言えない
ローマ帝国の辺境だったガリアでは、修道士ペラギウスの説いた神学が
広まっていたが、これは原罪説を否定し、自由意志を強調したものであったため
異端とされ、4世紀後半から5世紀にかけて、ローマ教会は新たに正統派の宣教師団を
各地に派遣して教化に努めていた
したがってアイルランド全土がカトリックに改宗するまでには、かなりの時間が
かかったと考えるのが妥当である
パトリックはシャムロックの葉の比喩で三位一体を説明し、浸透させた
アイルランドを象徴するような葉をキリスト教と結びつけたことに大きな意味がある
これはキリスト教の土着化なのだ
「アイルランドのキリスト教」という独自の記号が、シャムロックとパトリックなのだ
なぜそこを無視するかなあ
>>566
それが伝説に過ぎないからだよ
パトリックの生涯については、奴隷として誘拐されたとかアイルランドを再訪して教化に努めたとかいう大筋を除くと史実として確定的に語れる事は殆ど分かっておらず、
細部については彼の死後200年ほど経ってから書かれた史料とは見做し難い聖人伝に拠っている >>567
アングロサクソン系の反ケルト言論の典型だね
クロムウェルのアイルランド大虐殺はみんな戦闘員だからノーカン、とかそのたぐいの 典型だというならその根拠を示してくれ
できないだろうがな
英語版Wikipediaより
Legend credits Patrick with teaching the Irish about the doctrine of the Holy Trinity by showing people the shamrock, a three-leafed plant, using it to illustrate the Christian teaching of three persons in one God.
This story first appears in writing in 1726, though it may be older.
パトリックは三位一体をアイルランド人に説くために三枚の葉を持つシャムロックを用いた、とする伝説がある。
この伝説について記す現存最古の文献は1726年に書かれたものだが、より古い伝承に基づいている可能性はある。
18世紀とは自分が思っていた以上に新しかったなあ
7-8世紀の聖人伝が出所だと思っていたがw
18世紀というのはロマン主義の時代で、文人が神話や伝説、民話を掘り起こして
民族にとっての「物語」を創作した時代だ
時代背景にそれだけの需要があったということ
リアリズムの立場でそれを冷笑するのは何も見ていない
反論できなくなったら反ケルトだーって
反日反日言っとるやつらと変わらんな
そういえばアイオナで編纂された年代記はコルンバ存命中から書かれはじめたのではないかと聞いたけど
あれに書いてる我がドルイドはキリストってやつもそれくらい古くさかのぼれるんだろうか
西ローマ帝国滅亡後、ブリテン諸島においては、現在のウェールズから時計回りに
キリスト教が伝来・普及していく
ローマ帝国の属州であったイングランドは、異教徒の侵入によって「脱キリスト教化」
したと考えられている
キリスト教は、ウェールズなどブリテン島南西部にとどまり、そこからアイルランドに
伝来し、アイルランド全土に普及した
600年頃までにアイルランド各地に教会や修道院が創建されていったのである
0577世界@名無史さん2018/05/27(日) 10:53:53.820
ウェールズにはなぜスコットランドのような独立運動がないんだろう
独立してもやっていけないからか?
なぜ東北は日本独立運動をしないんだろ
なぜ隼人は日本独立運動をしないんだろ
>>534
カムリねぇ
キンブリ族(ゲルマン系)やキンメリア人も同語源なんだろうか 聖書のゴメルも同族かな
印欧語族の中に含まれてるけど