イタリア政府は8日、新型コロナウイルスの感染対策として、人口約1000万人のロンバルディア州全域や、
国内北部などの14県を4月3日まで封鎖したと発表した。

ミラノやヴェネツィアを含み、少なくとも計1600万人の住民が影響を受ける。


■隔離違反には罰則

新型コロナウイルスの感染拡大が欧州で最も深刻なイタリアでは7日、24時間以内に50人以上が死亡し、
確認されている死者数が中国・湖北省に次いで多い計233人に達した。確認された感染者数も1日で一気に1200人以上増え、5883人になった。

こうした状況でイタリアのジュゼッペ・コンテ首相は、ロンバルディア州全域および14県の封鎖を発表した。
経済拠点ミラノや世界的な観光都市ヴェネツィアも含まれ、総計1600万人の住民が影響を受ける。

封鎖対象の14県は、モデナ、パルマ、ピアチェンツァ、レッジオ・エミリア、リミニ、ペザロ・エ・ウルビノ、アレッサンドリア、
アスティ、ノヴァーラ、ヴェルバーノ・クジオ・オッソラ、ヴェルチェッリ、パドゥア、トレヴィゾ、ヴェネツィア。

隔離措置に違反した場合は、最長3カ月の禁錮刑など、罰則の対象になり得る。

コンテ首相は7日早朝、「市民の健康を保証したい。今回の措置には犠牲が伴うと理解している。
小さい犠牲もあれば、時にはとても大きい犠牲もあるだろう。しかし今は、自分のことは自分で責任をとらなくてはならない時だ」と述べた。

イタリアではこれまで、感染が多発した北部の一部自治体で住民5万人が隔離の対象になっていた。
また4日には、5日から全ての学校を10日間にわたって閉鎖すると発表したばかりだった。


■結婚式も葬式も不可

隔離地域では、映画館、体育館、プール、美術館、スキー場、ナイトクラブなどが閉鎖された。
レストランやカフェは午前6時から午後6時まで営業できるが、利用者は少なくともお互い1メートル離れて座らなくてはならない。

隔離中は結婚式や葬式も、開くことができない。宗教イベントや文化イベントも中止される。

住民はできる限り家に留まり、不要不急の外出を控えるよう求められている。
スポーツの試合は無観客で行われる。イタリアのサッカー選手労働組合の委員長は、すべての試合の中止を呼びかけた。

WHOはイタリアでの感染拡大を深刻に受け止め、国内の封じ込めに注力するよう勧告していた。

感染多発地域を封鎖することでウイルスを封じ込める対応は、湖北省で数百万人の移動を禁止した中国政府の方法に似ている。
WHOは中国のこの隔離措置が効果的だったと評価している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200308-51787971-bbc-int