とりわけ、A320シリーズで、胴体を延長した200席クラスで新型エンジン装備のA321neo(ネオ)の売上は非常に好調で
同クラス市場の多くを取り込んでいる。A321neoは最大240席までカバーするほか、胴体に燃料タンクを増設し
航続距離をナローボディ機最長の4000海里(7400km)以上に伸ばしたA321LR(ロング・レンジ)も開発中で
年内に就航の予定だ。このA321LRは、特にLCCによる大西洋路線など中長距離国際線に適していて
我が国のピーチアビエーションも7月に2機発注し、2020年から東南アジアの7時間程度の中距離路線に投入する計画だ。

A321neo/A321LRの躍進ぶりに対し、ボーイングも決して手をこまねいてきたわけではない。当初は、ベストセラー機B737の
新型エンジン装備機であるB737MAXの胴体を延長して対抗しようとした。A321neoと同じ240席クラス
また燃料タンクを増設してA321LRを超える4500海里(8330km)の航続距離を目指すとの観測もあった。

しかしながら蓋を開けてみると、昨年6月に「パリ航空ショー2017」で発表されたB737MAX 10は、席数は230席
航続距離は3215nm(5960km)止まりだった。もともとB737は設計が古く、胴体延長にも限界があり
これ以上の大型化は、同時並行で検討中の新型ワイドボディ機で実現する方向に戦略転換したのだった。