国内初締結!!福岡県・北九州市による北九州空港利用促進に係るMOU締結の
ボルガ・ドニエプル航空日本地区代表 塚田 博之氏コメント
この北九州空港という空港は24時間空港ということで運航計画が立てやすい空港です。
時間に制限されずに運航計画が立てられるというのは、航空会社にとって非常にメリットのある空港です。また弊社は、この北九州空港を貨物輸送だけでなく、駐機拠点としても注目しています。北九州空港の
立地は、アジア全体から見ても中心的な位置にあり、アジア圏内での航空機の移動に関しても最短で
移動できる。そういったことで北九州空港に注目しているわけです。
またこの北九州空港というのは、シーアンドエア輸送ができる日本の空港では珍しい空港の1つです。
このシーアンドエアですが、現状のアントノフ124の機体を使った大型貨物の輸送というのは、九州地方から海上輸送で中部国際空港に運ばれ、中部国際空港から世界中に運航しているわけです。現在、この
シーアンドエアできる空港というのは、日本の中に3ヵ所ございますが、1つは中部国際空港、そして
もう1つは関西国際空港、そして北九州空港です。ただ、なぜ北九州空港が活用されず、中部国際空港
に貨物が海上輸送されるのかというと、大きな理由としては、やはり滑走路の短さです。最低でも
3,000m級の滑走路が必要になります(機体が重いと加速に時間がかかるため)。欲を言えば、4,000m級
が欲しいのが正直なところです。機体重量の関係から十分な量の燃料を機体に入れられません。
北九州空港を離陸後、最寄りの仁川であったり、関西国際空港、中部国際空港などに一旦寄港して、
そこで燃料を満タンにし目的地に飛んでいるのが現状でございます。また、私たちのような大型貨物機
の作業には駐機場が最低2機分必要になります。例えば、大型貨物機を2機、3機と同時に運航したいと
の希望が航空会社からあった時に、「駐機場が足りません。使える駐機場が1機分しかありません。」と
いった状況になりますと、折角、滑走路が延伸されても、それを大きなメリットとして空港を活用
できなくなることが予想されます。実際に、今年8月には、アントノフ124は中部国際空港で3機同時
に運航しました。3機同時に様々に違う作業を行い、積載作業を完了させた後に、中部国際空港から
各方面に運航させたのです。福岡県庁の方、北九州市役所の方には是非、滑走路の延伸だけではなく
駐機場の充実もセットで考えていただければと、多いに期待しているところです。