ーー『T2』以降の続編として作られた『ターミネーター3』『ターミネーター4』
そしてリブート作となった『ターミネーター:新起動/ジェニシス』についてはどのような感想を抱いていましたか?

ミラー:興味深いなとは思ったけど、どの作品もジョン・コナーに焦点が当たっていたよね。
僕としては、『ターミネーター』の醍醐味はサラ・コナーのストーリーだと思うし、
たとえサラが出てきたとしても、演じるのがリンダでなければ、まったく違うキャラクターに映ってしまう。
だから、本当の意味での“続編”や“リブート”という気がしなかったのが正直なところだね。

ーーキャメロンとは脚本・編集面において意見の衝突もあったようですね。

ミラー:答えは「YES」だ。僕はすごくコラボレーションが好きな人間だから
大声を出したり、怒鳴ったり、怒り狂ったりはしない。
けど、こういう作品の場合は、いろんな意見があって当然だ。
監督が「黒」と言ったことに対して、プロデューサーが「白」と言ったら、結局答えは平行線を辿ることになる。
でも、映画は監督のものだから、最終的には監督が決めることだと思うけど、『ターミネーター』の場合は別だ。
ジムがファイナルカットを持っているからね。だから、意見が分かれたら、最終的にはジムが決めるんだ。
今回は、絶対に誰もわからないような細かいところまでジムと意見の衝突があったよ。
わかりやすいところで言うと、T-800の家族は、彼がターミネーターであることを知っているかどうかということ。
結果的に「知らない」という設定になったけど、僕としては、T-800は家族に正直に話していて、
「知っている」べきだったと思ったんだ。これがジムとの戦いで僕が負けたことのひとつだね(笑)。