「ルグリは誤って告発され、不当に処罰されたのちに真犯人が名乗り出て明らかになった」という逸話を述べている一次史料

・サン・ドニによる「年代記」
 Religieux de Saint-Denis, Chronique du religieux de Saint-Denys(1380-1422)
… サン・ドニは聖職者だと思われる。原典はラテン語だが、フランス語に翻訳されたものが刊行されている。
 マルグリットは無実のルグリを誤って殺してしまったと後悔して、その後、一生を修道院で過ごしたと記述されている。

・ジュヴェナル・デ・ジュルサン「シャルル6世史」
 Jean II Juvenal des Ursins, Histoire de Charles VI
… サン・ドニよりも後に書かれたと思われる年代記。似たような逸話を記述している。

・ジャン・ル・コック「ガリア人ジャンによる取調べ録」
 Jean Le Coq, Quaestiones Johannis Galli(ラテン語文献)
… カルージュ=ルグリ裁判におけるルグリ側の主任弁護士。当時においても高名な弁護士だった模様。
 その覚え書には事件の当事者たちを客観的に捉えて個人的な人物評などを書き残しており興味深い。
 ル・コック本人はルグリの証言にやや疑念を抱いており、全面的に信用はしていなかったが、
確たる証拠もないため、最後に「真相は闇の中だ」と書き残している。