できすぎた話のようだが、これは本当にあったことである。ほかにもこの決闘にふれている歴史書がいくつもある。
ところが、それらによると、この事件には後日談がある。ジュヴェナールの『シャルル六世史』では、
その後、真犯人が死の床で真実を伝えたために、ルグリが無実であることが判明した。また聖デニスの
匿名氏の手になる同名の作品によれば、夫人は無実の者を殺してしまったことを深く悔やみ、
その後の人生を修道院で過ごしたという。これがきっかけとなったか否かはわからないが、
これ以後、パリでは決闘裁判は行われなかった。」