【STORY】
 ある殺人事件をきっかけに、警察だった男は変わった。
 犯人達への復讐をし、放浪していた彼は、逮捕される代わりにヤクザ組織の内部へ潜入することになる。
 彼のバディはサイコな死刑囚の息子。
 地獄に生きる狂犬2匹はその戦闘力でのし上がって行き…

【感想】
 主人公兼高役で安定したアクションと渋い美貌を見せつける岡田准一。バディ室岡役はサイコと可愛さが絶妙に交わる坂口健太郎。更にヤクザの会長役には神々しいギターヒーローMIYAVI、"オヤジ"役に北村一輝、その愛人にはいつに増して妖艶な松岡茉優、闇を抱えるマッサージ師役に大竹しのぶと、錚々たるメンツが凌ぎを削る。

 ヤクザ映画で暴力的で血生臭いけど、その中でほっこりエンタメな部分も強いのが特徴。個人的には可愛い作品だった。
 矛盾だらけで正解のない世界に、孤独な個々が馴れ合いながら疑い合う。登場人物は迷えるわんころばかり。仲間を失った時の反応や、ふと見せる複雑な友情関係・信頼関係に"血の通ったハートフルさ"を見る。
 みんなが誰かへの愛や友情で生きてたりかまちょだったりするもんだから、妙にほっこりしてしまう。
 シリアスに見せて、ところどころでふざけて見せるようなコミカルさ、そして血の通ったハートフルさが今作の親しみやすさを強く引き上げていた。

 みんなしてハマり役だったな…はんにゃ金田の"チンピラグループのリーダー"感とか。最高だったな。笑

 ただ正義が悪に潜入し勧善懲悪するといった内容ではなく、相反する様々な要素が狂気の中で鍔迫り合う雰囲気がクール。
 正解がないから迷う。でも時は進み、焦りは人を動かす。人が動けばまた別の人が動く。止まらない世界に漢達は戦い続ける…