ゼグラーの言及した「暑さに耐えられないなら……」とは、「暑さに耐えられないなら、厨房から出て行け(If you can’t handle/stand the heat, get out of the kitchen)」というイディオムのこと。つまり、この仕事の厳しさに耐えられないなら、やめてしまえという意味だ。おそらくゼグラーは、“芸能人である以上、世間からの容赦ない批判も甘んじて受け入れろ”といった意見が飛んでくることを想定したのだろう。

2001年生まれのゼグラーは、2021年のスティーブン・スピルバーグ監督作『ウエスト・サイド・ストーリー』でいきなり映画デビュー。『シャザム!〜神々の怒り〜』は、実はまだ2本目の長編映画なのだ。アメコミ作品のようなファンダムカルチャーと向き合うのは、彼女にとって初めてのこととなった。

ゼグラーは『神々の怒り』で、怒れる神々三姉妹の三女役を演じている。劇中ではジャック・ディラン・グレイザーが演じるフレディと絆を深めるが、その様子をデヴィッド・F・サンドバーグ監督は「あの2人がイチャイチャしたり、からかいあっている姿は永遠に観ていられる」と称賛。『ウエスト・サイド・ストーリー』でもオーディションからの抜擢だったが、本作でもまたオーディションから選ばれたという経緯を持つ。監督はオーディション時のゼグラーについて、「頭一つ抜きん出ていて、度肝を抜かれました。カリスマ性のある、映画スターという感じ」と振り返っている。