ストーリーはとてもわかりやすく、正直言って展開は読めてしまう作品ではある。ただ、アン・ランがズーハンと出会って過ごした時間によって、両親への想いを馳せる過程が良かったと思った。彼女が「自分の人生は自分のもの」と言うのは全くその通りで、親族とはいえ人のために生きているわけではない。叔父さんは頼りない感じなんだけど憎めなくて、仲間も多くて、しっかりしていることが人間の魅力でもないのだな、と思った。変な言い方かもしれないが、それぞれの勝手さが周りでうまく吸収できれば一番良いのかもしれない。

中国社会の男児優先な面もかいまみえて、それこそ養子を取る側にも苦悩があるのだと想像する。どういう国に生まれるか、どういう時代に生まれるかでも変わってくるし、その中で自分の思うように生きていくのが大事なのだろう。人と一緒に過ごす時間はわりと限られているので、一緒にいたいと思う気持ちがあるなら、躊躇してはいけないのだと思いました。