IT業界が劣化し完全な労働集約型産業にまで落ちぶれた今、まさにこのタイミングでデジタルの大波がやって来た。
今の好景気で人月商売は“最後の宴”に沸き立っているが、まもなくそれも終わる。
2020年代にはSIerを頂点とするIT業界の多重下請け構造は崩壊に向かうはずだ。
つまり、日本のIT業界は大きく変わった(完全に労働集約型産業に落ちぶれた)から、これからさらに大きく変わる(まもなく崩壊する)のである。

 幸いな事に、こうした人月商売のIT業界とは無縁なところで、新しいIT業界が生まれつつある。
日本でもクラウドを活用したITベンチャーが続々と誕生しているし、ビジネスのデジタル化を進めるユーザー企業がIoT(インターネット・オブ・シングズ)などのプラットフォーマーとして、新たなITベンダーに変貌しつつある。

 実は少し前に、新しいIT業界の一員であるITベンチャーの人にこんな事まで言われた。「IT業界のイメージが悪くなるので、お願いですから古くさいITベンダーをIT業界の企業として扱わないでくださいよ」。