韓国において新型コロナウイルスの感染者がはじめて確認されたのは、
今年1月20日、仁川国際空港から入国した武漢に住む中国人女性の例だった。

他方、日本ではじめての感染者が発見されたのは
1月16日、武漢に滞在し帰国した神奈川県男性の例であったから、
そもそもの発端の時期に大きな違いがあった訳ではない。

しかし、その後の日韓両国の状況はジェットコースターのように上下した。

2月上旬、日本ではたまたま寄港した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」の
船内で集団感染が発生し、日本政府の対応に国際社会の大きな注目が向けられる事になった。

逆に同じ時期、韓国では2月11日に28人目の感染者が発見されてから
5日間、新たな感染者が発見されない状況が続き、文在寅政権は
同ウイルスの抑え込みに成功した旨の「終息宣言」を出し、

混乱が続いていた日本を、中国、香港、マカオに続き
新型コロナウイルスの感染地域に指定する事を検討するまでに至っている。

韓国では新型コロナウイルスへの日本政府の対応に疑念が広がり、
逆に自らの措置に自信感を強めていた時期である。
しかしながら、韓国の状況もまたこの直後に暗転する。

2月18日に新興宗教集団「新天地イエス教会」で集団感染が発覚し、
韓国の感染者は急速に増加、約一週間後の
2月26日には瞬く間に1000人を超える事となったからである。

程度の差こそあれ、2月後半になって事態が深刻化したのは日本も同じであった。
2月21日に「ダイヤモンド・プリンセス」のそれを除く感染者が100名を超えると、

25日には政府が新型コロナウイルスへの基本対策方針を発表、
27日には首相自らが、小中高校の休校を要請するに至っている。