さて、この様に同じく新型コロナウイルスの流行拡大の脅威に直面する
日韓両国であるが、その対処の方法は大きく異なっている。

違いのポイントは大きく二つあり、それは感染の有無の「検査」と、
検査の結果感染が確認された患者の「医療措置」の在り方である。

報道されている様に、この点で日本政府は、
「検査」と「医療措置」の双方の拡大に消極的な姿勢を取っている、と言われている。

背景にあるのは、大量の人々が「検査」と「医療措置」を求めて
医療機関に殺到する事で、その能力を超える事態、
つまり「医療崩壊」がもたらされる事への懸念である。

同時に、感染者が医療機関に殺到する事で、逆に病院において感染が広がる可能性があり、
PCR検査では一定の確率でしか感染者を確定することができない事も指摘されている。

だからこそ、治療方法が存在しない現状では、感染の疑義がある人を含めて、
自宅待機を有効に利用するのが賢明だ、というのがこの方針を支える理屈になっている。

<戦略としての大量検査>

これに対して、韓国政府は日本政府とは対照的な施策を取っている。

即ち、韓国政府が進めているのは積極的に「検査」を行い、
集団感染をできるだけ早期に発見してその芽を摘むと同時に、
患者を早期に社会から隔離して「医療措置」を進める事であった。

この為に韓国政府は当初、「検査」により感染が明らかになった人を
可能な限り医療機関に入院させる方向で「医療措置」を行い、
これを積極的に進める事になった。