センバツの中止が11日、決定した。史上初の中止は
甲子園がある兵庫・西宮市付近の宿泊施設にも、大きな打撃となっている。

球場のすぐ横に位置する「甲子園ホテル夕立荘」では、
4日に無観客での開催が濃厚になった時点で、観戦予定の宿泊客に電話で連絡をしたという。
普段の大会期間中は、毎日満室だが「キャンセルするという人が多かったです」と担当者。

また今大会では国士舘(東京)の選手の受け入れも予定していたが、
それも中止によってなくなってしまい「ここまで(新型コロナウイルスの感染が)
広がるとは思っていなかったし、ここまではかつてない。
違う形でお部屋を売れる形に持っていきたいのですが」と話した。

球場から車で5分の距離にある「ゲストハウス ANCHOR」でも、
大会期間中の予約が全てキャンセルになってしまったという。
通常なら全国から100件近く予約が入り、臨時でパートを雇うほど
連日満室になるそうだが「予約がゼロって、こんなことほんまにあるねんなと思った」
ゲストハウスを開業して3年で初めてだといい、損失は100〜150万円程度になるそうだ。

例年ならそろそろ入ってくるはずの夏の甲子園に向けた予約も
今年はまだ1件もなく「ムチャクチャやで。ほんまにひどい。

日本ってこんなに変な国やったかな?」とキャンセルが相次ぐホテルなどに対し、
有効な策を講じられていない政府に怒りをぶちまけた。

隣接する尼崎市のホテルでも、ファンや大会関係者からのキャンセルが相次いでいる。

駅に近いホテルでは、ファンに加えて、報道関係者からのキャンセルも続き、
担当者は「こんなことは初めて。恐ろしい」とため息をついた。

空いた部屋に泊まってもらうべく、金額も下げられるだけ下げ、
これまでなかったデイユースプランも作ったというが
「経営側も苦しい。人件費を削るぐらいしかない」と嘆いた。