テレビ視聴率にも、巣ごもり需要理論が、当てはまるね。

実はここ数年の大河ドラマでは、前半途中まで数字を落とした物語で、途中から盛り返したのは、
『真田丸』(17年・堺雅人主演)と『麒麟がくる』(長谷川博己主演)しかない。

反転攻勢のメカニズムを考えてみた。
途中挽回は、少数派。近年の大河ドラマの多くは、回が進むにつれ視聴率を落としてきた。

『花燃ゆ』(15年・井上真央主演)は、多少の上下動はあるものの、
20話までで世帯視聴率を4割ほど失った。

『おんな城主 直虎』(17年・柴咲コウ主演)は、2割ほど数字を落とし反転することはなかった。

『西郷どん』(18年・鈴木亮平主演)も、2割以上を失い、再浮上はなかった。

『いだてん』(19年・中村勘九郎と阿部サダヲのW主演)に至っては、
20話まで右肩下がりが続き、4割以上を失った。

例外の一つは『真田丸』。11話までに2割ほど失いながらも、21話までに多くを挽回した。

『麒麟がくる』は、序盤の下落がより急激だったが、反転攻勢に転ずるのも早かった。
5話までに3割強を失ったが、7話あたりから上昇し、今や15%前後とじわじわ数字を戻して来た

初回放送後に、「『麒麟がくる』初回19.1%で安堵? 求心力と視聴者構成に不安」で、
視聴率下落の可能性を指摘した。視聴者の流入・流出パターンと年齢構成に問題があったからだ。

その後4話まで放送したところで、「『麒麟がくる』は失速する?
〜戦国大河なのに苦戦する5つの理由」で、当初危惧した通りに
視聴率が急落している原因を指摘した。

人間ドラマの面白さがいま一つで、女性や大衆の支持が足りない点が課題だった。
ところが5話までで下げ止まり、6〜7話あたりから反転攻勢に転じた。