2010年12月24日 。東芝、Cell生産から撤退 ソニーが工場買い戻し

東芝は、08年にソニーから買収したCell工場を、ソニーに売却する方向。

ソニーは工場の設備の一部を、CMOSセンサー用に変え、増産に乗り出す方針だ。

東芝が、高性能の半導体「Cell」を生産する長崎県の工場をソニーに売却する方向で

調整していることが23日、分かった。売却額は、数百億円規模 に上る見通し。

Cellは、ソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」や
東芝の高級テレビ「Cellレグザ」に搭載されている中核の半導体 だが、
用途の広がりがみられず、東芝は、Cell生産から撤退する。

一方、ソニーは、工場の生産設備の一部を、スマートフォン(高機能携帯電話)用途などで

需要が急増しているデジタルカメラの画像センサー用に切り替え、大幅な増産に乗り出す方針だ。

Cellは、東芝とソニー、米IBMが、共同開発した高性能のCPU(中央演算処理装置)。

東芝は、2008年に、Cellの製造設備をソニーから、約 900億円で買収したが、

不採算部門のLSI事業の構造改革を進めており、再びソニーに売却する方針を固めた。

Cellレグザ向けなどのCellは今後、 ソニーなどから調達するとみられる。

一方、ソニーは、スマートフォンの人気で搭載カメラの画像センサー需要が拡大しているため、

今年秋から生産能力の増強を進めていた。さらに、 PS3の販売が世界的に伸びていることもあり、

新工場建設よりコストを安く抑えられる同工場の買い戻しを決めた。
画像センサー向けのラインも今後拡充す る。