働かない息子を1年間養うのにかかる費用は、100万円。額に汗して働き、家族と支え合っている息子の同級生がまぶしい
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親は「普通に育てたつもりなのに」と考えていても、子どもは「親のせいで不幸になった」ととらえる親子が増えている。
本連載では、ロストジェネレーション世代(1970代〜80年代前半生まれ)のロスジェネの子どもがいる親、もしくは当事者に話を伺い、 “8050問題” へつながる家族の貧困と親子問題の根幹を探っていく。

息子を1年間養うのにかかる費用は、100万円

待てど暮らせど、息子は社会復帰をしない。仕事の話を振ると、気がのらない顔をされるし、地方都市は人間関係が密接で、息子を頼める働き口がない。

「都会ならメンタルに病を抱えた人の自立支援センターはあるのだろうけれど、息子はプライドが高いから、そういうところには行かなさそうでもある。
で、このまま働けず、私たちが死んだらどうなるのだろうというのが心配。娘一家に押し付けるわけにはいかない」

健司さんも妻も、いわゆる毒親ではない。息子に何かを過度に期待したり、高望みをしていたわけではない。

「過去を振り返っても仕方がないけれど、ブラック企業に勤めなければ、こんなことにはならなかったのかな……と思う。
そうそう、今日、ショッピングセンターに行ったんだ。すると、息子よりはるかに成績も素行も悪かった同級生が、奥さんと中学生くらいの子供を連れて歩いているんですよ。
私の姿に気付くと、“おじさん! お久しぶりです。あいつは元気ですか?”なんて、働く男のいい顔をしながら聞いてくる。
私はこれから自由になろうという時期に、息子のリハビリに付き合わされている。このままでは老後資金も足りなくなるし、不安だらけですよ」