聡子さんは自治会長に猫の世話の協力を申し出ましたがこんな言葉で
拒絶されました。
「私たちは猫のフンや鳴き声に困っている。自分で飼えないなら口を出すな」
今月、私も聡子さんと公園に行ってみました。夕暮れ時、どこからともなく
「みゃあ」と鳴き声が聞こえ、数匹の猫が現れました。どの耳にも
手術でつける地域猫の印、V字の切れ込みがありました。
聡子さんは自治会長との口論後も、目立たない夕方に餌を与えに来ています。
「猫は生きてるんです。放っておけません」と言われました。
人間側の事情で繁殖機能を奪った命です。なんとか工夫してうまく飼えない
ものかと思います。ただ、周囲には猫よけグッズを置いた家やマンションもあり、
自治会長には苦情も多いのだろうと想像しました。
十人十色の「地域」で飼うことの難しさです。
初対面の私にもすり寄ってきた猫たちの鳴き声が耳に残っています。

http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/CO004339/20161106-OYTAT50000.html