レスキューの日
昨年12月から今年1月にかけて、協会と野澤さんたちは再度男性のもとを訪れ、犬猫約30頭を保護した。
当時、男性のもとには155頭あまりの犬猫がいた。金網の不安定なケージは、犬猫の足に痛みを与える。
糞は長く放置されていたため白く変色していた。身体は糞尿で汚れ、爪は肉球に突き刺さっていた。
ぐったりと横たわる子、ケージの奥で声もあげず、怯えている子がいた。9割がここに連れて来られる前に
繁殖犬として使われてきた犬たちだという。外の世界はほとんど知らない。保護されなければ、
ケージの中で死を待つ運命だった。なんとか全頭を連れ出したかったが、現実的に厳しい。
「ごめんね、次に来るまでなんとか待っていて」。野澤さんは、残していかざるを得ない子に
そう声をかけたという。やりきれない思いだった。