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午前と午後とで何処が異なるかを考えてみて下さい。
一般に午前は午後に比べて温度が低い、単位時間あたりの光量は午前の方が少ない、午後、特に夕方に向かって、赤色/遠赤色系の波長の光が多くなる、などが考えられます。
戸外で午前だけ光を当てた場合と、午後だけ光を当てた場合をくらべると、当然生長に差は出るでしょう。
植物の種類にもよりますが、まず、光合成活動には差がでます。
ふつうは温度が高く、光量が大きい方が光合成も盛んで、生長にとてのぞましい条件です。

植物は一定の適温で常時光が当たっておれば、最大の生長が得られるかというと、必ずしもそうはありません。
人工制御温室でトマトを育てた昔の実験によると、昼夜温度が一定条件では、25℃で最大生長がえられるが、昼の温度を26.5℃、夜の温度を17〜18℃にした方がさらに生長がよいということです。

したがって、西日が長く当たる場合、特に暑い夏の場合、夜間いつまでも土壌の温度が高いまま保たれることになれば良くないという事もできるでしょう。
茎の生長に限っていうと、光のない方が一番生長速度がたかいのです。いわゆるもやしの生長です。茎は赤色光で生長(伸長)が抑制され、遠赤色光でよく伸びます。これにはフィトクロームという光受容色素が関係しています

植物の生長過程はサーカディアン リズムによっても調節を受けていますので、さらに問題は複雑になりますが、
仮にサーカディアン リズムのことは関わりないとして、午前と午後とで日照の影響は有るかどうかを知るためには、日照以外の条件を午前も午後も同じにして、比較しないと何ともいえません。

なお、環境要因の影響は多くの場合植物ホルモンを介して行われます。
つまり、ホルモンの合成が誘導されたり、合成が盛んになるか、抑制されるかしたり、また、輸送による分布に変化が生じたりするのです。ちなみに現在主要な植物ホルモンは7種類知られています。どのホルモンがどのように関わるかはケース バイ ケースです。

以上長々と述べましたが、それは以下のお答えをするための前提です。
「生長の差はあると思います。理由は植物の種類、光を当てる条件、その他の生育条件によって一義的にはなんとも言えません。」


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