2017年07月26日
「ひのきのぼう」に込めたドラクエ精神 堀井雄二が語ったこだわり

奥山晶二郎 withnews編集部

(画像)
「ひのきのぼう」のアイテム名に込めた思いを語る堀井雄二さん=合田但撮影



 ドラゴンクエストに出会った時から気になっていたこと。なぜ「ひのきのぼう」は、ただの「ぼう」ではなく「ひのき」なの? 30周年という節目の年、生みの親である堀井雄二さんに、長年の疑問をぶつけてみると……
「絶対、ひのきのぼうなんです」。返ってきたのは明快な答え。最弱アイテムの名前には、初代から11作目となる新作「XI」まで守り続けてきた「ドラクエ精神」が込められていました。



(画像)
ドラクエの新作について語る堀井雄二さん(左)、プロデューサーの齊藤陽介さん(右)、ディレクターの内川毅さん(中央)=合田但撮影


記憶に残る最弱アイテム

 「ひのきのぼう」。ドラクエファンなら、誰もが目に浮かぶなじみのあるアイテム名です。

 ゲームのスタート時に最初の装備として用意されますが、あまりの弱さに使われないことも少なくありません。

 ただ、最初は持っているアイテムの数が多くないこともあり、その後の強そうなアイテム名よりも何だか記憶に残ってしまう不思議な存在です。


(画像)
なぜ「ひのき」なのか?長年の疑問をついに生みの親にぶつけることに…
出典:https://pixta.jp/


「すぐにわかる。もう絶対、ひのきしかない」

 「ひのき」は、家具などでは高級な材料として知られていますが、武器としては、マイナーな木材です。木刀で一般的な木材はカシです。

 なぜ、「ひのきのぼう」なのか? 堀井さんは「音ですね」と、そのアイテム名に込めた思いを教えてくれました。

 「『ひのき』って一つの単語じゃないですか。すぐにわかる。もう絶対、ひのきしかないって思いました」

 当時、剣(つるぎ)や、こんぼうの他に、弱い武器を考えていたという堀井さん。

 「ただの棒じゃだめ。でも『かしのぼう』だと、お菓子みたい。それに『かし』って言われても平仮名だと何だかわかんない」

 初期のドラクエは、使えるデータ量(メモリー)が少なかったため、まだ漢字は使えませんでした。そんな中、名前を決める際、大事だったのが平仮名にした場合の伝わり方でした。

 今とは考えられない開発条件の中、最弱のアイテムだと「一目でわかる」名前が「ひのきのぼう」だったのです。


(画像)
「『ひのき』って一つの単語じゃないですか。すぐにわかる。もう絶対、ひのきしかないって思いました」と語る堀井雄二さん=合田但撮影


「ドラクエは、誰でも、わかりやすく遊べるゲーム」
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで

https://withnews.jp/amp/article/f0170726004qq000000000000000W00810701qq000015620A
Copyright © The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.