NHKハートネットTV 過去のテーマ 選ばれる命
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あんこさんに対するコメント
智一さん / 秋田県 / 50代 /研究者・教員

医療にできることには限りがあります。
いま薬がある病気よりもない病気の方がはるかに、はるかに多い。

遺伝子に関連する病気にかんして、根本的に治療する方法はまだ実用化されていません。手段がないのです。倫理な問題も未
解決で残っていて、それが開発を妨げています。ましてトリソミーを根本治療するのは、はるかにハードルが高い。技術的に
不可能です、想像もつかない難事なのです。

脳への障害も、治りません。もともと、ヒトという生物は、 ある時期以降は脳細胞が増えないようにできています。いったん
細胞が死んでしまうとその部分は死んだままです。でもこれは、再生医療が発展すれば治療の可能性がでてきます。

産まない決断をされる方や医療機関を、ほんのすこしでも非難するのは、看過しがたい愚かな行為です。

トリソミーを知っていて産む決断をされるなら、その子が様々な疾病を抱えたままで一生をおくること、そのサポートを(自分
が老いてからも)し続けるリスク、その負担を社会も負うことを、よく理解した上でなさるべきでしょう。

もちろんこれは、ハンディキャップを負って生まれてきた子どもたちを 社会がどう受け入れていくべきかとは別の問題です。
どんなに注意をしていても、一定の割合でそうした子供は生まれてきす。
そこに大きなリスクが生じてしまうのであれば、次世代が維持できません。
投稿日時:2014年07月15日 09時45分