摂津国の各郡の郡領をつとめる有力氏族=大阪の支配者=朝鮮人

摂津の地域では、難波の地にあたる東生(成)、西成の両郡に吉志系の氏族と三宅忌寸とが居住していたことが知られる。
東生郡では難波忌寸・日下部忌寸、西成郡では吉士・三宅忌寸が、それぞれの郡の郡領をつとめる有力氏族であったのであろう。
吉士は朝鮮語の首長を意味する語に由来し、新羅では官位十七等の十四位の称にも用いられており、これを氏姓とする氏族の実体は渡来系氏族であると思われる。
『日本書紀』によると、難波忌寸がもとは草香部吉士であることが知られる。
(『大阪府史』)