私は首都圏の人間であり、それも太平洋に面して温暖な湘南の人間だから、
寒々としていて現代でも村八分をやっている裏日本の感覚は全く理解できない。
言い方があれだが冗談抜きに裏日本が同じ国内と思えないというのが本心だ。
地元の湘南にも、首都圏にも、嫌な奴も犯罪者もいっぱいいるが、
その社会一般の人々の平均的な感覚や考え方などと、裏日本人は激しい乖離があるのだ。

もし裏日本が1つの国だったら、首都候補は間違いなく新潟市といえる。表日本における東京のように、
日本海側の中心に位置し、人口も経済規模も最多で唯一の政令指定都市だ。
新潟市の人口は80万人。北欧のストックホルムが80万都市だと考えると、首都に値する人口はある。

上越新幹線や北陸新幹線は国際列車となる。長岡〜上越妙高を結ぶ短絡線を作れば、
国境越えをせずに金沢方面から首都・新潟に上ることができる。
日本海東北自動車道沿いに、裏日本領青森方面まで新幹線を伸ばすのもいい。

国境のない時代は、人もモノも東京一極に流出していたが、国境の壁があれば、
国内で最大都市の座は新潟に代わるので、空洞化・衰退していた新潟市は一転して集積地になる。
東京の情報を受け売りするだけだった新潟のテレビ局がキー局になれば、情報や芸能の中心地も新潟になる。
東京コンプレックスがなくなれば、新潟を中心とした裏日本共通の文化圏を維持し、活性化することも可能だ。

日本人にとっての最大のメリットは、「裏日本統治コスト」の必要性がなくなることだ。

新潟県は地方交付税を5000億円近く配分されている。
地方交付税とは、中央政府から自治体の財源不足を補うために配分されるおカネのことで、原資は私たちが納めた血税だ。
ちなみに東京都は不交付団体なので0円だ。東京都民は自分たち自身やその勤め先の会社が納めた税金が、
東京の発展のために使われておらず、縁もゆかりもない地方部の懐に入っている現実をもっと知った方がいい。
人口が多く企業が多い都会の方が、納める税金も多くなり、自治体の財布事情もよいので、
首都圏や名古屋・関西などの大都市の多い表日本ほど払い損となり、
大して人も済んでおらず日本経済に何も寄与していなさそうな地方部ほど地方交付税依存の自治体経営となる。
裏日本は田舎しかないので、日本海地域全体にかける地方交付税の金額は相当額になる。この税金が裏日本の統治コストになっている。
誰も乗っていない新幹線や、クルマよりキツネや熊の方が出てきそうなガラガラの高速道路やバイパス道路やハコモノがしじゅう作られ続けている。
新潟は土建屋利権がひどい県つぉいて有名だ。人口規模や産業規模を考えれば、どう考えてもつじつまが合わない。
そんなものを裏日本全体に作るくらいなら、その何十兆円規模の血税をすべて首都圏に回し、
山手線の線路を二層構造化させて運行本数を倍にするとか、都心の手狭になった古い公共施設を高層ビルに切り替えるとか、
2国を拡幅させて倍の広さにして渋滞を解消させるなどのインフラ向上策に充てるほうがよほど都市の生産効率を挙げ、国全体の経済成長につながるはずだ。

もし裏日本が日本じゃなければ、国外なので、この費用対効果の全くない膨大な地方交付税を大幅に削減できることになる。
すでに作ってしまった赤字高速道路なども、日本の道路ではないので、その維持費や将来は全て裏日本人が自分で賄うことになる。
将来的な裏日本統治コストを考えれば早ければ早いうちに切り離すほうが得なのである。いずれにせよ裏日本にはもそも人口がほとんどなく、
有力な企業もないし、ついでにいえば京都や富士山のような観光資源があるわけでもないので、私たちが失うものはほとんどない。
裏日本出身者の帰省以外は、誰も旅行でも出張でも行かないし、
おそらく東京の人間なら海外旅行はいくらでもやっても一生裏日本の地に足を踏み入れずに死ぬ人も大勢いると思う。